公演時期 | 2000年8月28日~29日(東京公演) |
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会場 | 北とぴあ・さくらホール |
作・演出・作詩 | 犬石隆 |
総監督・振付 | 森田守恒 |
振付 | 小川こういち |
音楽監修・作曲・編曲 | 山口秀也 |
音楽監督・作曲・作詞・編曲 | 玉麻尚一 |
音楽協力・作曲 | つのだたかし |
歌唱指導 | 岡崎亮子 |
美術 | 斎木伸太朗 |
照明 | 山田茂 |
衣装 | 畑野一恵 |
音響 | 実吉英一 |
舞台監督 | 斎木伸太朗 |
ジャグリング指導 | 小西康久 |
あらすじ
観劇感想悔やまれるのが、このミクロコスモスの前回の舞台 「チェンナムの夢」を観なかったことですね。 テレビで見る事はできましたが、やはり生で観たかったです。名作でした。 「チェンナム」の放送を観て感動し、演出が犬石さんということもあり、 プリンセス・ハムレットのチケットを取ったのですが。 う~ん、チラシの時点で予想はついてたんですけど、 ほとんどのアンサンブルの役者さん、 化粧をしていて誰が誰だかわかりませんでした。 ちょっとここは残念。 たくさんの舞台役者さんが出て、 明るく楽しい舞台にする、そんな犬石さんの意図がわかります。 確かに楽しいんですけど、その反面、飽きが来るのも早い。 盛大な「一面の麦の穂の中で」のナンバーは、 しっとりと観客に聞かせる曲ですが、 人がたくさんいる必要性、まったく無し。 無理してだす必要はなかったかも。 雰囲気的に、アルゴミュージカルの「パパ、アイ・ラブ・ユー」にも似てました。 劇中劇というのもなかなか難しいのだけれど、 この舞台では大成功だったと思います。 真夏の夜の夢とか、ロミオとジュリエット、もちろんハムレット。 知っている人には「ムフフ・・・」と微笑むシーンばかり。 エンディングも気になりました。 もうひと波乱あってもいい感じだったんですけど、 淡々と終わってしまう。 ギャグドラマなんかにある、 「これで終わり~ちゃんちゃん」という風に、まるで素っ気ない。 わざとこれは狙ったのかな? 子役ミュージカルでありながら、大人キャスト目立ってました。 普通は子役の影に隠れてしまうのだけれど、 今回はガンガン前に出ていってます(笑) 私的にはとても嬉しいなぁ~! 三人ともすっごくうまいし、話のかけあいとかも良かったですね。 ミュージカルナンバーはあいかわらず秀逸曲は、かなり好きな曲が多い。 一番好きなのは、「ローズマリー咲く森へ」のナンバー。 聖花、三姉妹、父、母、透、玲亜、志穂と、 たくさん出てくる、紹介的ナンバーです。 まぁ単純なのが好きなんですけどね(笑) みんなの表情が生き生きしてるんですよ、このナンバー。 また「弱きもの、その名は女」もいいですね。 聖花、玲亜、志穂のダンスや歌が聞けるし、 なにより透役の和也くんの場面がいい! パラパラ風の振付が多いのは、この年の流行を表現しています。 カーテンコールでの「一面の麦の穂の中で」は印象深いです。 裕月さんが歌っているところもいいんだけど、 やはりこれは全員で最後に歌うっぽい曲だと思います。 その意味でこの曲の選択は良かったです。 気になった役者主役、聖花役の近藤久美絵ビデオではアルゴミュージカル「魔法使いの夏休み」で、 生の舞台では「子猿物語」から拝見してますが、 メチャクチャ大きくなりました。 そして、すごく美人に!(「チェンナムの夢」の放送も観てましたが) もちろん、それよりも何よりも、 演技の幅が出てまさしく女優として演じていました。 もう子役という枠ではないですね、完全に。 微妙な年頃の女の子ということで、かなり難しかったと思います。 でも、それをすばらしい感性で演じました。 自暴自棄になっている演技なんて、瞳の奥から怖さを感じました。 まさに狂気の瞳です・・・それを演じるのだから、本当にすごいですよ。 時には可憐に、時には小悪魔的に、 その表情の移り変わりは観客に十分伝わったと思います。 歌唱力は・・・好き嫌いわかれるかな~? ああいう歌い方は、ハッキリ言って微妙ですね。私は特に不満はないですけど。 透きとおるような歌声というのではなく、 お腹の底から地響きが漂うような力強さを感じました。 歌っている時の表情、そして表現力もいいです! 一女優として、近藤久美絵さんの次回の舞台に期待したいですね。 (余談ですが、1989年のアニー(岩崎ひろみ)では、モリーを演じてます) 聖花の元パパ役の真名古敬「パパ、アイ・ラブ・ユー」の浜寺先生役の入鹿尊に似てるんですよね~ その演技ぐせも。 個人的に、ちょっとそこが笑えました。 まさしく役者って感じで、その存在感は大きいです。 聖花のママ役の櫂さはるこの人もうまいです。演技全般もそうですけど、歌唱力もすばらしいです。 黒田役の星野利晴おどけた感じが、とってもマッチしていて良かったです。 そしてもうひと役のクローディアスは、威厳のある王様役。 性格がガラリと変わり、迫力ありました。 こういう2役って、観てるこちらも楽しいですね。 透役の俵和也アルゴで大活躍だった和也くんも、 こんなに大きくそしてカッコよくなり・・・惚れました。 少年の頃から、カッコよくなるんだろうな~とは思ってました。 演技は、あいかわらずとぼけた役ですが(笑) 期待を裏切ることなくやってくれます。 表情の付け方がまたいいんだな~ 独特なリズムというのかな?それに観客が引き込まれるんですよ。 少年の頃は高音でしたが、 大人になってどんな感じになったのか楽しみにしていました。 若干低音にはなりましたが、昔の雰囲気そのままに、じつにいい歌声。 彼を観ただけでも、この舞台に来た甲斐がありますよ、本当に。 それほど、しっかりとした演技でした。 まちがいなく人気でますよね、彼は。 志穂役の加藤裕月これもまたメチャクチャ美人になっていてビックリ! 一番彼女が変わったっぽいです。 演技はしっかりしています。 穏やかな役柄で彼女にピッタシ。 声にの張りがあって、とても聞きやすかったのも印象的。 ただ、歌唱力は、ちょっとまだかな。 ソロの部分が多いのですが、ちょっと厳しいところもありました。 頑張って声を出しているのはわかるのだけど。 そういう理由ではないと思いますが、 「一面の麦の穂の中で」のナンバーは、 途中から山城さんや渡辺さんが加わってきます。 ハモルためだとは思うのだけど、 裕月ちゃんの歌唱力の弱さのために加わった感も否めない。 ソロで歌っても十分にいいところでしたから。 歌唱力のアップに期待です。 玲亜役の古賀久美子彼女も『GANG』等の舞台で小さい時から見ていますが。 意外とあまり変わってない(笑) 彼女の表情の演技が好きなんですよね~今回もいい表情してます。 お兄ちゃんを突き飛ばすシーンとか、なんか笑えますね。 歌の方は、マズマズかな? どちらかというと演技の人ですよね。 もうひと役のレイアーナの演技も、 けっこう危ない役で(笑)なかなか良かったです。 少女時代の聖花役の石井静う~ん、まずはルックスが可愛いいってとこかな? 笑顔が素敵ですよね。 今度はソロの歌が聞きたいな~なんて思ったりします。 モナ役の奈良綾佳3姉妹。普通長女がしっかりしてるんですけど、 たぶんわざと長女をとぼけた感じにしたんでしょうね。 そのコメディタッチの長女役は本当にハマッテました。 燐とした表情もいいですね。背筋もピシッとしていて好感もてました。 茜役の今井沙那恵3姉妹は3人とも個性があって、演技も上手で、安心して見ていられます。 彼女は次女ということで、真面目な優等生タイプ。 だけど、ちょっとドジなところもある役です。 なかなか好演してました。 真面目な役だと真面目一直線の役になってしまうけど、 柔軟的にその役を消化してました。 花子役の山本夏海パンフにも書いてありますが、 舞台で美空ひばりさんの子供時代を演じてたんですね。 今回の舞台を見れば、それがブラフではないことが明らかです。 ムチャクチャ演技うまいですよ~! 小山菜穂さんの再来かと思った(笑) たしかに大げさな部分もあるけど、あれはあれで全然問題ない。 表情の付け方とも最高! 顔面百面相というか、顔の筋肉の使い方とかも練習しているのでしょう。 歌も、小さいながらも頑張ってました。 ヨーリック役の渡辺早智子道化師人形の役だったので、 顔面化粧だらけのため表情がわからなくて残念です。 存在感あったような無かったような、微妙なんですよね~ 人形として立ち上がるシーンとか頑張ってました。 裕月ちゃん、結布ちゃんと三人の、 「一面の麦の穂の中で」のナンバーは本当に良かったです。 おしむらくは、最後ぐらい素顔で出てきてほしかったんですけど。 難しいかな? パックを演じる役者役の山城結布元アニーズですね。 化粧をしているものの、彼女の表情はかなり目立っていました。 なんでですかね~?やはりオーラでしょうか(笑) 歌もいいし、ダンスの方でも目立ってました。 総括ビデオでもう一回観てみると意外に楽しかったです。 でも観劇してると、なぜか長~い印象。 間があく場面も多いし。 おそらくわざとやっているとは思うけれど、イマイチ私には理解できませんでした。 近藤久美絵さんの演技が強すぎて、観てるこちらが疲れるのかな? 同日二回目の観劇は、自分がすごく疲れていた印象が残っています。 私的には、前の「チェンナムの夢」の方が好きですね。 ※敬称略 |