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劇団SET第60回本公演「堕天使たちの鎮魂歌~夢色ハーモニーは永遠に~」

満足度星星星半星空星
公演時期 2022/10/21→11/6
会場 池袋サンシャイン劇場
演出 三宅裕司
脚本 吉井三奈子
出演 三宅裕司 小倉久寛劇団スーパー・エキセントリック・シアター

あらすじ

女性3人組ソウルシンガー「ディーバ」は、実力はあるものの長年鳴かず飛ばず。んなどん底の彼女たちにある日、ビジュアルとダンスセンスは良いが歌は最悪というアイドルグループの替え玉の依頼が舞い込む。仕掛け人の大物プロデューサー、事務所社長、足を引っ張るライバルたち。それぞれの思惑が絡む中、極秘プランが始動!「大きなステージで自分たちの歌を届けたい!」という夢だけを支えに生きてきたディーバを襲う様々な試練。彼女たちの歌声が奏でるその先に待っているのは、厳しい現実か、輝く夢か?!(公式サイトより引用)

物語の内容

ビジュアルとダンスセンスは良いが歌は最悪というアイドルグループ「ショッキングピンク」の替え玉になることになった、長年鳴かず飛ばずの性3人組ソウルシンガー「ディーバ」 最初は自分たちのプライドが許さない!と思うものの、 生きていく上にお金は必要なもので・・・と了承する。

敏腕プロデューサー鬼塚の仕掛けどおり、「ショッキングピンク」は瞬く間にトップアイドルに成長する。 このまま順調に軌道にのると思いきや、口パクがばれてしまい、一気に駆け落ちていく。 事務所も倒産。 ところが、かつて「ディーバ」が裏方で参加していた有名人たちが支援に乗り出し、多くの人の支援もあり、「ディーバ」の東京での初ライブが開催されることとなった。 しかし肝心の「ディーバ」の3人がやる気なし。 その3人を呼び戻すために「ショッキングピンク」の3人も立ち上がり、 各々の思いを胸に熱く説得するのであった。

観劇感想

率直に言って楽しかったです。 きんかんコンビの丸山優子白土直子がメインキャスト。 自分のイメージ的に本当に久々のメインキャストのような気がする。 今までずっと本公演の彼女たちがメインのお芝居を観たかったので大満足。 ある意味当然と言えば当然なのだけれど、安定してずっと観ていられる。 演技も歌も言うことないし。 今回は熟練した演技を見せつけてくれたと思う。 各々の役が自然に演じられ、全く違和感なく観客に伝わっていた。 ただただ、哀愁感漂う演技で満足してしまう。

良田麻美の復活!

ほんと待ってましたよ。 メインキャスト3人のうちの1人なので、出番が多くて、 隠れ良田麻美ファンとしては大満足すぎる。 彼女の演技、表情、歌の実力を観客におおいに見せつけてくれた。 恐い演技もいいね!流石だわ。 本音を言うと、ダンスの実力もあるので踊る場面があると超!大満足だったのだけれど、 それは次回のお楽しみということで。

アイドルユニット ショッキングピンク

山城屋理紗 岡山玲奈 古家由依

3人ともめっちゃいい。 本公演でガンガンダンスをキレキレで踊ってくれますから。 変な歌詞であろうとなかろうと、見映えがいいと舞台に集中できるもの。 超楽しい。

全体のバランスとして、やっぱり新人、若手もどんどん出していくべきだと思う。 目新しさがあるし、言い方が変だけれど生命力がある。 若い人のパワーを観客ももらいたいと思う。刺激、活力が欲しいという感じかな? そこから脳が活性化されるかな?

古家由依はツインテールのせいなのか、メイクのせいなのかわからないが、 意外と私の中では印象に残りました。 あのわけのわからない表現、言葉。 彼女の年齢だけでなく、もっと若い年齢でも意味不明な表現をする時代だ。 弱気な部分を見せるはかなげな表情がなんとも言えず、いい感じ。 男性アイドルユニットのひとりと付き合っているという微妙な部分も、 どこまでの付き合いなのか曖昧でわからないところがいいね。 今の時代はそういう感覚の子も多い、かも?

岡山玲奈は太秦ラプソディではヒロインの長吉友理沙役でした。 長い髪がブンブン振れているのが印象的。 後半のディーバ復活に奮闘している真面目な姿の方が本来の素の感じかな? ファンの夢を裏切って傷を負う場面、ここは凄く難しいシーンだと思う。 毎回毎回神経すり減らす。

山城屋理紗は太秦ラプソディではサブヒロイン的な陽空ばみり役でした。 今回はアイドルユニット「ショッキングピンク」 しかもセンター。 ピンクの髪も印象的。 彼女は瞳も印象的。 ま~かわいいし、華もある。 そりゃ、敏腕ブロデューサーの鬼塚(小倉久寛)でなくても、センターにしますよ。 それプラス、ダンスもキレキレ。 ただ、上記二人に比べて、何か衝撃的な出来事はなかったので、エピソードがイマイチ足りないのかも。 あ~家に帰った時、両親がダンスの講師で、世間から叩かれていたっけ。 イマイチ印象薄いかな?

アクションシーンは無し

本来はミュージカル・アクション・コメディ なのでアクションがほしいところなのだけれど、今回は歌とダンスで勝負。 アクションが無いのは本当に残念なのだけれど、歌もダンスも素晴らしいので、文句は言えません。 どれだけ練習、稽古をしてきたことか。 それだけで有り難い。

歌について(令和の歌、昭和の歌)

今回は歌がメインということで、雑談を少し。 今の時代は昭和歌謡のような前奏、哀愁漂う歌詞もなくなり、スピーディーでコンパクトでインパクトがある曲がメイン。 スマホ、サブスクで、あらゆる曲を聞くことになり時間がもったいない。 ゆっくりじっくり聞く暇もない。 だからこそ、いずれ原点回帰でまったり聞く時代が来ると思う。 逆に小学生が昭和歌謡を聞く時代ですから。 新しい才能がどんどん出てくることを期待したい。

エンディング

私的にはここは残念。 幕が下りてもう終わり?という感じでした。 私的なイメージとしては後日談があっても良かった。

さらに私の脚本であれば、バッドエンディングになるが、 健太さん?だっけかが、ディーバのライブが始まったのをテレビで見ながら、だんだんと目を閉じていく。 そしてライブが終わったころ、誰かがようやく彼の異変に気づくなんてのもアリかと。

ピックアップ

  • ジャニーズのふぉ~ゆ~のような、純烈のような、アイドルグループ「錦糸町ブリリアント」ソフトクリーム落ちちゃった(アイスクリームだっけか?)の曲も面白い。けっこうガッツリ歌います。
  • 野添義弘、西海健二郎 おおたけこういち、3人のショッキングピンクのダンス、超楽しかった。もっと観たかった。ほんとノリノリである。
  • 養護施設での告白プチドッキリも面白かった。ある意味とんでもない(笑)現実にあったら本当に驚きますよね。
  • 正直言うと、声の張りがなくなったメンバーもいる。ちょっとパワーが落ちたのかもしれない。真面目な話、あと何年できるものやら。と、舞台でも三宅裕司が吐露しますが、じつは現実問題として切実な部分も入れたかったのかもしれない。

総括

冒険はせずに置きにいった と私は思う。 丸山優子、白土直子、良田麻美のディーバではあれば、まずハズレがない。 その対抗として新人のショッキングピンク、山城屋理紗 岡山玲奈 古家由依がかます。 両方がピックアップされて対比がわかりやすい。 そこまで複雑な物語ではないので観客も受け入れやすかった。

※敬称略