公演時期 | 2019/10/11→27 |
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会場 | 池袋サンシャイン劇場 |
演出 | 三宅裕司 |
脚本 | 吉高寿男 |
出演 | 三宅裕司 小倉久寛 劇団スーパー・エキセントリック・シアター |
あらすじ東京都巷区(ちまたく)にある高級住宅街・青金台(あおがねだい)。治安が良く、オシャレな店が建ち並ぶ人気エリア。ある日、この町に志賀内吹京(しがないふきょうが、妻や子供達を連れて引っ越してくる。彼らは青金台を参考にして、寂れた故郷・素裸無町(すらむちょう)を再興しようと目論んでいた。 観劇感想(ネタバレ前)観劇感想の前に、今回のお話は二度観ることを前提としたもの。明らかに二回見てほしいという脚本家の意図が見える。 ということで、ネタバレを考慮しての感想と、ネタバレを加味しての感想とで別れます。 物語の流れもネタバレ有りになるので、後半に記述していますのでご注意ください。 まずネタバレ無しの感想から。 物語としてはとても面白かったです。 後半は意外な展開で私も予想だにしませんでした。 観る前の私の予想としては、 「何不自由も無い平和な町があるという噂を聞いた小倉さんがそこに行くと・・・」 という展開を考えていたのですが、ちょっと当たってはいたものの大きく裏切られた部分もありました。 今回は舞台がミュージカル調そのものなので、盛りだくさん。 何でもかんでもミュージカルで、じつに楽しい。 安堵、平和な生活。 エンターテイメント重視なミュージカルナンバーばかりなので、 楽しさがとても際立つ。 ただ、その部分との対比として、 幕が下りた部分では棒立ち、セリフ劇のみの部分が多いし長い。 最後の部分もずっとセリフ劇。 ちょっともったいない。 私的にはもう少し華やかな部分が観たかったな~ これは高齢メンバーによる疲れ対策、抑制なのだろうか? 私はちょっと気になりました。 平和な町、ピースフルタウン超富裕層(ことみゆうぞう)が考えていた「人の幸せ」 それを追及した結果がピースフルタウンである青金台。 笑いが絶えない明るく平和な町。 ただ、実際は事件があってももみ消していただけ。 でも真実を人々は知らない。 だから笑みを絶やさない。平和なのだ。 知らないからこその利点がそこにある。 ただ現実問題として、悪人はそれを利用してしまう。 何もかもやりたい放題。 それをスルーする人、見なかったことにする人。 言うなれば、これもまた平和かもしれない。 ただ、それが不利益に思え、自分に被害が及んだものにしてみれば平和でもなんでもない。 現実を直視していないだけだ。 そこに反発が産まれ、隠蔽していたものを洗いざらい情報を開示しようとする。 今の世界も似たようなものだ。 隠蔽するものはあるし、情報開示を求めるものもある。 どこまで隠し、どこまで情報を出すのか。 セキュティ的なものを含め安易な判断はできない。 そう、どこかの党が言っていたが、自分達が他国から侵略されたらどうするのか?の問いに、 「その問題提起がありえない」とそっぽを向く始末。 それでは論議ができないと詰め寄ると、 「何も抵抗はしない」とのたまう。 自分、家族が被害をこうむっても抵抗もせず、そのまま受け入れるとのことだ。 その主義主張は人それぞれなので彼らが思うのはかまわないが、 それを全国民に適用するには問題がある。 大勢の人間を束ねるには、嫌なこと、危険なこと、反発をかうものがある。 それでも進めなくてはいけないものもあるのだ。 奇麗事ばかり言うのは、政権を本気で取ろう思っていないからだ。 今回のこの舞台では、高齢者、少子化、不景気、いろいろな問題を詰め込み、 平和とは?幸せとは何か?も定義している。 そのひとつの答えがピースフルタウンである「青金台」なのだ。 置いてあった女性のカバンが無くなったというエピソードがあるが、 とても重要な案件だと思う。 平和な町だから誰も盗るはずがない、そう回りの人たちから言われると、 「もしかしたら自分の勘違い?」 そう思い込んでしまう、そう感じてしまう。 こういう空気はとても恐いものがある。 誰も争いを望んではいないが、全員が善人という世の中は残念ながら存在しない。 全員善人で世界平和が理想だけれど、そんなことは夢物語である。 だからこそ「笑い」が必要なのだと言う。 世の中のゆとり、すきまが「笑い」であり、それがあることによって「平和」が保たれるのだと。 スポンサードリンク 観劇感想(ネタバレ有り)
と、ここからネタバレ有りの感想。 |