リトルツインズ

◆公演時期 2007年12月24日〜12月25日
◆会場 ヤクルトホール
◆作・演出・振付 パパイヤ鈴木/羽佐間 慎
◆音楽 たいせい(シャ乱Q)/周防泰臣
◆照明 山田茂

あらすじ
似てない双子、モモとルル。
ある時、ミュージカルのオーディションが開かれます。
そこへミュージカルスターの秋野涼子がやってくるということで、ある騒動が巻き起こります。
観劇感想
諸事情で、キャストは主役の二人と羽生愛のみです。
あとは、私がわかる範囲で名前を書きます。
わからない人はごめんなさい。

わたしは青いりんごチームも、赤いりんごチームもしっかり観劇しました。
観ないことには何も書けませんから。
一枚のチケットを買うという行為がどれだけ重要であるか・・・・
このぐらいは自慢させてください(汗)
ま〜私は「長靴をはいたネコ」を2回も観ただけのことはありますから、
並大抵のことでは驚きません。

さて本編
率直なところ、最後のレビューがメインで、演劇がおざなりにされている感じがしました。
双子役のふたりの演技に、ほぼすべてのことが集中していますから。

ただ、みなさん一所懸命努力をしてお稽古を積んでます。
エンディングでは涙を流している方もたくさんいました。
努力したものを大勢の人の前で発表する。
役者さんたちにとって、かけがえのない経験になったことでしょう。
感想はちゃんと書きます。
ただ、前述しましたが、役名も名前も顔もわからないので、
私のできうるかぎりの情報網でわかる範囲の方だけを後述します。

公演時間は約2時間。

照明の使い方はとてもいい感じです。
カラフルで色使いがとても綺麗。
ヤクルトホールの照明の操作機能はいいのかな?
なかなか凝ったものがありました。

相原愛のレビューショーは、とても素敵ですね。
けっこう昔から観ているのですが(汗)
スタイルは全く変わってません。
熟女シスターズ?こと、OBAジェンヌも全然OK。
これはこれでアリ。
こういう要素はあっていいと思います。
それから、校長先生もアリ。
あれは、あのキャラクターをどれだけうまくいかせるか、出演者の度量が必要となります。
うまく活用すれば、すごくいいアクセントになりますから。

3人の秘書というか、講師の先生(?)が集まる場面が一番舞台としてしっかりしてるのも、
なんだかな〜と思います。

ヤクルトホールは特徴的な舞台で突き出し舞台があるのですが、
そこを活用したのは相原愛のダンスと、エンディング付近かな〜?
ちょっともったいない気がしました。

イジメ役を担当するメンバーは、ちょっと短絡的かも。
もっと怖くないとイジメ役を演技でやらされている雰囲気が出てしまいます。
せっかく演技をするのだから、観客に嫌がられないと。

話の内容は、じつはすごく複雑。
芸能界の怖さ、そして恋愛のもつれ、子供は愛しているけどあの人とは・・・という葛藤。
単純に考えられる問題でもあるし、そうでないものもある。
モモとルルの言ってることもわかるのですが、
大人同士はいろいろゴタゴタがあるんですよね・・・
あんまりここは話しを広げたくありません(汗)

それから、批判でもなんでもありませんが、
双子の二人が母のことで悲しんでいる時に、
メインキャストでない子が突然ソロを歌うのにはビックリしました。
それで歌がうまいのならわかるのですが、そんなにとりたててうまいわけでもなく・・・・・
「なぜ?の嵐」でした。
ま〜過去にも歌がめちゃくちゃうまい子がいるのに、
その子ではなく、イマイチな子がソロを歌ったという舞台もありましたが(汗)
これは本当にありえなかった・・・・過去のお話ですが。

それから演出家役の先生が、よくわからないキャストいじりをするのも意味不明。
その子を注目させたいのが見え見えすぎる。あれは必要なかった。

場面として、双子と演出家の蚊のやりとりはとても良かったと思います。
ああいうコントじみたところは好きです。
ある意味、この舞台において一番ホッとするシーンですね。

気になった方は・・・

青いりんごカンパニー
似てない双子としての雰囲気は近藤真由&大八木千遥の方が意外と良かったです。
双子特有のハモリも、こちらのチーム方が私は好きかな?

ただ、赤いリンゴカンパニーのところでも触れますが、
不思議なのは役がダブルキャストなのに性格付けが違うんですよね。
モモ役の近藤真由ですが、こちらのチームのモモは優しいながら活発な感じで、
逆にルルの方が臆病で弱気な感じ。
ところが赤いりんごの方は、モモ役の奥村優希がか弱い優等生な感じで、
ルルの速見里菜が気の強い元気あふれる性格。
舞台を観ている時は、それで納得するのですが、後で考えてみると不思議。

モモ役の近藤真由
名前は何度か目にしているのですが、メインキャストは初めて。
基本はダンスの子かな〜?
ダンスナンバーの時はかなり目立ちました。
表情のつけ方もいいですね。
性格設定がイマイチよくわからなかったのですが、
私としては気の強い役柄の方が彼女に合う気がします。
弱々しさも見せるのだけれど、彼女の場合は表情から芯の強さを感じます。
ちょっと声質が舌なめずりなところがあるので、そこもポイントでしょうか?

ルル役の大八木千遥
彼女は初めて観ました。
ルックスだけで判断すると、昔の今泉舞という感じでしょうか?
表情のつけ方がじつに癒し系で、ほわ〜んとした雰囲気。
歌もまだまだだし、ダンスもまだまだですが、
演技はなかなか面白いものがあると思います。
こちらのチームのルルは弱々しい感じなので、すごく似合ってました。

黒の上下の服でショートカット、タップをしていた小さな女の子、原みずき
この子はダンスがうまいかな?けっこう印象に残りました。
それから、同じショートカットの赤と黒のボーダーの服の女の子HINAKOも目につきました。
演技は意外としっかりしているし、雰囲気が面白い。
両方の組で登場した白と黄色のシャツの子もダンスうまいです。
(名前で言えないのがはがゆい・・・)

役名はわかりませんが、松下莉子はよく目立ちました。
けっこうセリフも多かったと思います。他の人に比べるとですが。
特に目立つのがダンス。
ダンスの力うんぬんより、表情。
とっても明るくて可愛らしくて、観ていて楽しい。
全く飽きない。
ただ彼女の表情は別として、群舞の際、そんなに笑顔の子は他にいないんですよね。
だから目立つ。
これが難しい・・・・
自分は笑顔でやっているのに、他の人とのバランスがうまくとれず、逆に浮いてしまう。
嫌な意味で言うと、目立ち過ぎてしまう。
私は笑顔の表情をつけるダンスは好きなのですが、回りの和に合わせることも重要。
私にも判断が難しいです。

両組に登場した奈良紅子
彼女も名前は存じているのですが、キャストとしてしっかり見るのは今回が初めて。
この子はダンスがうまい。かなり目立ちました。
スタイルは抜群で、体の線が細いです。
ただひとつ気になるのは、彼女はダンスがすごく上手なのに、
踊っている時も演技をしている時も不安げな表情。心配な雰囲気。
ここはちょっと気になりました。
これだけのダンスの実力を持っているのだから、
凛として、「どうだ〜!」という表情を見せつけてくれると嬉しいな。
そうするとダンスをしている時も、演技をしている時ももっと輝くと思う。

少年にも触れておきます。
客席から舞台を観て、一番右の少年。
おそらく、薄衣倫平
彼はかなり目立ちます。
ダンスも一番うまいのですが、セリフがしっかりしているし、堂々とした演技もいい。
私の評価はすごく高いです。他の舞台でも登場する機会があると嬉しい。
女の子だけでなく、やっぱり男の子は重要なんですよ。
女だらけはつらいかもしれないけれど、ぜひチャレンジしてほしい。
それだけの実力の持ち主。

澤登ひほりは、今回の舞台では小さいメンバーのひとり。
小さいメンバーのダンスで踊ってはいるものの、何か感想を言うほどのものではありません。
役どころとしても出番は少なく、セリフも少ないため、
こちらもどうこういう部分はありません。
最後のレビューのところが一番可愛かったですね。
ルックスは抜群に可愛いので、レビューでは映えます。そこだけかな(汗)

赤いりんごカンパニー
似てない双子として、奥村優希と速見里菜
このコンビは流石の一言。
二人とも演技においては、かなり経験があり、大人の舞台にも出演しています。
物語の中心はこのふたりなので、演技がうまいと回りがうんぬんでも引き込まれます。
特に奥村優希のか弱さ、
速見里菜の豪快な元気の良さはキャラ設定がしっかりしており、
二人の個性が存分に発揮されていました。観ていてとても面白かったです
このデコボコ・コンビはないなかいいですね。
彼女たちがしっかりしているからこそ、舞台に集中できる感じ。

前述しましたが、こちらのモモ役の奥村優希がか弱い優等生な感じで、
ルルの速見里菜が気の強い元気あふれる性格です。
そのモモ役の奥村優希
2004年ミュージカル「アニー」のケイト役ではありますが、主役は初めて。
森は生きている2007の時よりもあまり時は過ぎていないのですが、
背が伸びた印象を受けました。

可愛らしいルックスとともに表情の変化は抜群。言うことないでしょ。
演技もしっかりしているし、言葉遣いも丁寧。
ただ、優しい役のためか、やや声の張りがない印象を受けました。
そこは次回に期待。

そしてダンス。ものすっごい。
特にレビューの時の奥村優希は最高でした。
彼女がセンターで踊っていたら、ずっと観ていたい感じ。
華がめちゃくちゃあるし、オーラがあるし、それはそれはすごい子なのですよ・・・・

ひとつ面白かったのは、演出家に対していたずらを仕掛けたところ。
「しめしめ」という表情が、水谷まりそっくり(笑)
伝授されたか、感化されたか(爆)

ルル役の速見里菜
彼女も名前をうかがったことはあるのですが、メインキャストでの観劇は初めて。
とても楽しみにしていました。
彼女良さは、元気あふれるセリフの発声と、カツゼツの良さ。
とても聞き取りやすく、遠くの人にまでよく届きます。舞台向きですね。
こちらのルル役は元気があって、明るく行動派な役柄・・・かな?
とてもストレートに演じていたと思います。
さらに彼女はところどころ面白い動作をするんですよ。独特な里菜ワールドかな?

小峰里緒
彼女も名前は聞いたことがありましたが、しっかり観たのは今回が初めて。
う〜ん、かなり目立ちました。
タップもやっているし、ダンスも切れがあるし、演技もうまい。
意外な伏兵という感じかな?
面白い存在。これからの活躍が楽しみです。

「ロックンロール」の時のナンバーで青いシャツの子のダンスは印象深いです。
それから、緑のシャツの加藤瑠菜も目立ちます。
美人タイプのルックス、セリフもハッキリしているし、ダンスもかなり良かったです。
あまり知られていないメンバーの中で、私としてはかなり印象に残りました。

総括
双子役の4人はなんとか見られますが、他の子は役柄的にもったいない・・・
というよりも、役名がわからないのでなんとも言えないです。
物語としての流れがイマイチつかめず、
途中のオーディションのナンバー等で切られてしまう感じ。
ここをどううまく演出するかが、これからのキーポイントでしょうか?
双子以外に、役名、そして性格付けがしっかりしている数名のメインキャストがほしいです。

初めての公演はいろいろあるもの。
過去の観劇でBEST DREAMも最初はけっこうグタグタでしたが、
回を重ねるごとに良くなりました。
次回、この舞台からさらに洗練されたものを期待したいです。

(敬称略)


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