少年陰陽師<歌絵巻>―この少年、晴明の後継につき―

◆公演時期   2007年10月4日(木)〜8日(月)
◆会場 池袋サンシャイン劇場
◆原作 結城光流
◆キャラクター原案 あさぎ桜
◆脚本・演出 藤森一朗
◆音楽監督 山下透
◆振付 shi-show♪
◆殺陣協力 牛田直美

あらすじ
時は平安。都には無数の妖や怨霊が跋扈(ばっこ)し、
時には人に害を及ぼすこともあった。
そんな妖、怨霊を退治できるのは陰陽師だけ。
見習い陰陽師の昌浩は、稀代の陰陽師、安倍晴明の末の孫。
陰陽師としての資質は十分なものの、まだまだ犯人前・・・
物の怪、もっくんの力を借りて妖や怨霊の調伏に向かいますが・・・
(パンフレットより引用)
観劇感想

ハッキリ言って、ものすっごく楽しかったです。
早くも再演希望!
でも、2008年はアルゴがある・・・よね(汗)

スーパーエキセントリックシアター(SET)には及ばないとしても、
それに近づくくらいのミュージカルアクションコメディー。
やっぱり、殺陣、アクションがあると迫力が違います。

演出・脚本は藤森一朗氏。
『GO,JET!GO!GO! サプライズ版』 2005年10月だけでなく、
たくさんの演出、脚本を手がけています。

まず、オープニングが秀逸。
導入部分で、これだけのアクションを見せてくれると、
これからどういう舞台なるのか、それだけでも期待が高まります。
照明、そしてレーザー光線も豊富でかなり華やか。

神将が現れたり消えたりする演出は、なかなかいいです!
暗転→照明のフラッシュ→暗転→通常の照明
本当にパッと現れた感じ。

内藤、渡辺、本多の三人のダンスナンバーはコメディチックで楽しかったです。
ある意味、この3人のナンバーが一番ミュージカルしてますね。
各キャラクター付けもしっかりしているので、とても楽しめます。
ちゃんとしたダンスシーンはこのぐらいですから。
今回はアクションをメインにしているためでしょう。

残念ながら、気になったのはマイク。
特に私の見た回では船越真美子のマイクがイマイチで、
ボワワ〜ンとした感じでした。
せっかくの船越真美子の美声がイマイチ伝わらなかったような気がします。

それから、曲のナンバーが長いような気がします。
1番で終わらせてもいいのに、3番ぐらいまで歌っている感じ。
「歌絵巻」なので、歌がメインではありますが。
ちょっと舞台のテンポがずれるんですよね・・・
子守歌も短くていい感じ。

で・・・・
なにはともあれ、もっくん役の服部杏奈
すごい。ものすごい・・・
アニー2006で主役のアニーを演じ、
この時点で相当凄かったのですが、さらに上回るレベル。
どこまで伸びるんでしょうか・・・

役のみならず、語り部役(説明要員)に近いものも受け持っているので、
セリフの量は膨大。
にもかわわらずカツゼツ抜群!じつに聞き取りやすい。
歌唱力、さらにさらに大声量!!
主役を食うほどの存在感。というか、完全に食ってます(笑)
非のうちどころが無なさすぎる(爆)
彼女を観るだけでも、この舞台は観る価値があります。

エターナルファンタジー演劇大賞 2006年では最優秀女優賞。
エターナルファンタジー演劇大賞 2005年ではMVP。
2007年は・・・・・どうなるかな〜?早くも悩みどころ。

主役の安倍昌浩役の植田圭輔は初めて観ましたが、うん、なかなかやりますね。
もちろん、すっごくうまいというわけではないけれど、十分に演技をこなしています。
殺陣も良くやっている。
雰囲気的には、「仮面ライダー電王」の野上良太郎みたいな感じですね。
ホワホワとしてのんびりした演技。
もっくんとの話しのかけいあいも楽しい。
また、女性からの人気は抜群でしょう。
もしかしたら、これからさらに化けるかもしれません。それだけ未完の大器。
数年後、超有名になる・・・かも。

藤原彰子役の船越真美子
か弱い、おっとりとした役ですね。
もともと美人なので言うことないですよ。
ただ、あくまで私が受けた印象としては、彼女が歌う曲のナンバー、
キーが低くなったような気がします。
アルゴの時は、かなり高音を歌っていたような・・・・・・
今回はそんなこともあってか、歌いやすかったような気がします。

ただ、じつのところ、としては彼女からあまりパワーを感じませんでした。
おそらく、おしとやかで控えめな役のイメージを大切にしたのかな?
アルゴの時の方がもっと神々しく、オーラがあったように思えました。
私としては物足りない。

紅蓮役の寿里
うん、かっこいいですね!
裸を見せることから体も良く鍛えています。
ルックスだけでなく、彼の存在感もすばらしい。
殺陣は相当練習したでしょう。武器の扱い方もひじょうにうまいし、かっこいい。

青龍役の小林一徳
2001年のエルダ・アルゴ・『スタート』のロッシー役以来だから、約6年ぶりか〜
大きくなったし、格好良くなるわけだ。
しかも今回の役は、目つきがいい!

安倍晴明役の坂田直貴
若返りは笑った(笑)
面白い。原作でも、ここは見どころのひとつなのかな?

東山竹人役の内藤大希は三枚目役とは驚き。
役者としてなんでもこなせます。
ダンスのところもしっかりしてるし、存在感ありますよ。
私的にはもっと歌ってほしかったんですけど(笑)
女性からの人気も高いです。

日高重行役の本多亮太
この人は、演技こなれているでしょう?
3枚目役は抜群にうまい!
舞台歴を見るとそれほどでもないのですが、
意外とベテラン的な風格がありました。

崎野川甲陽役の渡辺大貴
美形ですね。まだ顔が幼く、少年の雰囲気が漂います。
表情の変化等はまだまだこれから。
それともあえて、あまり見せなかったのかな?
雰囲気的には、すごく面白い存在。
素直でおっとり系な役の方が似合いそう。

神楽如風役の篠田光亮
神楽のリーダー格(?)的な存在。
神楽メンバーの中でも、やや黒幕的で単独で行動するタイプ。
森は生きている 2006年7月では4月役で、ある意味王子様的存在。
ルックスは男の私から見ても抜群にかっこいいです。
演技のみならず歌唱力もあるので、
もっと歌う場面があってもいいかな〜?と思いました。

神楽大元役のYOH
落ち着いた雰囲気のサブリーダー的(?)な役割。
目の印象が強いです。
私的には彼が一番好きかな〜?
どっしりしているし、神楽如風に対する不満なところとか、すごくいい。

神楽顕妙役の丹内英暢
最近は髪形とか、雰囲気が似ている役者さんが多いのですが、
彼は異質でわかりやすかったです。こういうのは重要。
荒々しい演技がいいな〜

一つ鬼のいちは・・・・・よくやった(涙)
これはこれで全然アリだと思います。
のほほんした感じで、自然(?)で、それでいてぶっきらぼう。
喋り方がかわいいですから、誰もがそれを受け止めてしまう(笑)
私はすっごく楽しめました。

ほんのちょっぴり、細かいところですが、
もっくんの尻尾と、陰陽師メンバーの袴(はかま)が大変だな〜と思いました。
歩くシーンや階段のところ等、いつ引っかかってもおかしくありませんから。
ちょっとハラハラドキドキ。

船越英里子星奈々はちょっと残念でしたね。
使い方がもったいなかったです。
二人とも実力ある方なので、次回は活躍させてほしいですね。
星奈々の場合、五木ひろしのモノマネができたらいいのですが(爆)

それから、十二神将、神楽、怨霊と、殺陣、アクションはすごい迫力。
寿里、小林一徳、六合、それぞれにかっこいいです!
私としては、特に寿里が一番良かったですね。

もちろん、十二神将の武器の動きもかっこいいのですが、
それを迫力あるように見せる、怨霊の方のやられ方が本当にすばらしい。
彼らが、すごいやられ方をするからこそ、
攻撃をする十二神将が格好良く見えるわけです。

私は原作を全く知りませんでしたが、十分に楽しめました!

総括
休憩無しの2時間ですが、ほぼ飽きることはありませんでした。
サンシャイン劇場は奥行きがあるステージなので、
人が奥に立つと観づらいこともあるんですけど。
観客の入りもよく、私が見た回はほぼ満員。特に女性客が多かったです。
やはり「ミュージカル テニスの王子様」からの「流れ」もあるでしょうね。
出演する男性陣も美形ぞろいですから。
(敬称略)


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