公演時期 | 2007年8月28日(火)~9月2日(日) |
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会場 | Gallery LE DECO (ギャラリー・ルデコ) |
構成・演出 | 松枝佳紀・安川結花 |
あらすじまだ恋を知らない文学少女。 でも20歳。大人である。 奥手な彼女でも、やっぱり彼氏がほしい。 妄想にふける彼女にようやく春が訪れようとしていた・・・・・・ 感想1999.9年の夏休みで好演した女優、安川結花のひとり芝居。 公演時間は約45分。 途中、彼氏として松枝佳紀、友人も出演しますが、本当に少しだけ。 基本は彼女のひとり芝居と言っていいと思います。 彼女はすごく透明感のある女優で、 NINAGAWA STUDIO(演出家、蜷川幸雄によって若い世代の俳優、スタッフを集めて 演劇集団GEKI-SYA NINAGAWA STUDIOとして創設) でも稽古をしています。それだけの逸材だと思います。 だからこそ、私も観にいきました。 チケット代が1000円という手軽さもあり、 私用の間に見られる舞台ということもありましたが(汗) 公演場所の「ギャラリー・ルデコ」というのは渋谷にあるんですね。 本当に小劇場。客席も30席ぐらいしかありません。 当然のことながら、すごく見やすいです(笑) ここまでの小劇場は池袋小劇場以来かな? 話の流れとしては、 妄想にふける文学少女→図書館で青年と出会う→また会えないか妄想 →図書館に行ってみるが会えない→悲しみ落ち込むが奇跡の出会い →デート→友人から「手も握らないなんて遊ばれてる」と不安なことを言われる →彼氏に真意を問いただすため告白+キス→初めての外泊 こんな感じですね。 ひとつ最初に大きく気になることがあります。 彼女はずっと本を持っているんですよ。 それを読みながら演じるんです。 「○月○日、今日は・・・」みたいな感じ。 この舞台が、朗読劇なのか?それとも本はあくまでもアイテムのひとつなのか? それが全然わかりません。 朗読劇であるのなら、公演のタイトル名に書いてほしい。 朗読劇は本を読みながらのスタイルなので、 ある意味、観客の視線を気にすることなく本に集中してしまいます。 こういう舞台はけっこう多いのですが、私は好きではないんですよ。 何か逃げている気がして。 本というアイテムが「逃げ」に見えてしまうんです。 だから、劇場に足を運ぶことはあまりないと思います。 よほど朗読に自信を持っている人はのぞいて。 また、朗読劇ではなく、あくまで演技のため、役のためのアイテムだとすると、 さらにずるいと思う。 こちらは彼女のひとり芝居を観にきたのに、 本というアイテムにより「逃げ」の演技を見せている・・・そんな気がしてしまうんです。 普通の純粋なひとり芝居が観たかった・・・ おそらく、この本に台本が書かれているのではなく、関係ない文章だとは思います。 ですから、45分の舞台すべては暗記、またはアドリブ。そこはすごいんですけどね。 前述しましたが、この安川結花という女性は透明感があるし、 純粋な雰囲気があるし、瞳が綺麗だし、歯並びもいいし、もちろん可愛いです。 ずっと彼女だけを観ていても飽きない・・・・・・・ だが!! さすがに始まって20分ぐらいで、ちょっと私はダレました。 残念ながら内容が面白くありません。 恋に奥手な文学少女がよ~やく彼氏を見つけ、 波乱がありながらもデートを重ねていくという話しなのですが・・・・・ 飽きる。あんまり面白くない。 途中、彼氏といきなり抱き合うシーンがあるのですが、あまりにも唐突すぎて、 「もしかしてこれは、文学少女の妄想オチ?」 とまで考えました。 それはありませんでしたが、本当のオチもイマイチなんですよ。 少なくとも観客に「飽き」を与えてはまずいと思う。 マンガ「ガラスの仮面」で、北島マヤがひとり芝居として「通り雨」を演じます。 「通り雨」は日常生活の話。 これが、もし本当にお金を払う舞台としてあった場合、客は納得しただろうか疑問です。 その印象と今回のこの舞台の内容が非常にかぶるんですよね。 とりとめない日常生活を舞台にするとういうのは、それだけ難しいことだと思います。 今回の舞台は観客に対しても挑戦的な舞台なのかもしれません。 ひとり芝居というと、役者個人だけでなく、 照明、音響等、他のスタッフの協力が不可欠です。 スポットライトや、原色のついた照明等の大きな設備はありませんが、 徐々にライトを暗くしていく場面、暗転等、とても良かったです。 演者の表情の変化にも、照明は影響しますから。 さらには音楽。 これがないと本当につまらない舞台になります。 とにかく選曲は重要。 けっこうゆったりとした音楽が流れていて、話の内容にもピッタリでした。 この選曲は抜群。 安川結花、個人については前述したように今後有望な女優だと思います。 なによりまだ20歳。先はまだまだ長いです。 初めて自分から彼氏の胸に抱きつくシーンもいいし、 奥手な文学少女のドギマギしたところも乙女チックでかわいいです(笑) ダンスはビックリですけど(爆) 観客の視線も考え、センターにただいるのではなく、 小さな舞台ながら右へ左へ移動して変化を与えていました。 ホワホワ~とした感じで観ていてうっとりする女優。 観ていて飽きないほどのルックスと演技・・・・・ のはずなのですが、今回の舞台に関しては「飽き」がきてしまいました。残念。 総括安川結花個人を見るのであれば、公演時間45分の約半分、23分ぐらいが限度。 ハッキリ言って内容がつまらない。 そして、観客の集中力をそぐあの本。 これで観客を魅了するのは酷。 私に言わせると、観客無視、自分自身の成長のための舞台ですね。 たった1000円だけれど、すごく損をした気分になる内容でした。 ※敬称略 |