公演時期 | 2007年8月21日(火)~22日(水) |
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会場 | 青山劇場 |
作・作詞 | 東龍男 |
作曲・編曲 | 平吉穀州 |
編曲 | 真島俊夫 |
総合演出・総合振付 | 山田卓 |
演出・振付 | 木村かなえ |
音楽監督 | 河添達也 |
あらすじ暗黒の世界では、妖怪の首領によって、汚れつつある地球を競売にかけ、 売り払う企みが進められていました。 そんな妖怪の企みを知ることなく、子供たちは毎日無邪気に楽しく遊んでいました。 そんな中、地球環境を守ることの大切さを勉強した愛ちゃんは、 友達に語りかけますが、なかなか相手にされません。 あいちゃんは、みんなが助け合えばきれいな地球を守ることができると信じ、 その気持ちをマンガで伝えようと考えました。 汚すことを目的にしている妖怪にとって、きれいな地球にしようと考える愛ちゃんは危険人物。 ついに死神が送り込まれることになりました・・・ (パンフレットより一部引用) 感想坪田愛華さんの舞台は、東京でもPOWER for the PEACE 1995年、 POWER for the PEACE 1996年 と、彼女の意志を受け継ぐ公演をおこなっていました。 今はちょっとわかりませんが・・・ この時は公演と同時に彼女のついての展示会もあり、私も興味深く拝見しました。 それが今また島根の方のミュージカルを観ることになるとは、すごく感慨深いです。 これもいろいろな巡り合わせでしょうね。 客層を見渡しました。 もっと制服組が多いのかな~?と思ったのですが、意外と家族で来場した方が多かったです。 もちろん出演者関係もあると思いますが、東京に住んでいる島根出身者も来場したでしょうね。 今回はオーケストラ・ピットをかなり広く使っていました。 アニーより広い! そのオーケストラピットの上に、張出した廊下をふたつ使っていました。 演奏は島根大学吹奏楽団が担当されていて、楽器がたくさん! 音響効果がバッチリでした。 生音は迫力が全然違いますから。 それが舞台を盛り上げる一因になったことは言うまでもありません。 入場で配布されたパンフレットを拝見。 予想はしていましたが、人数多!!!! 数えたら144人いました(爆) 主要キャストは本当にごくわずかですが・・・ さらに気になったところがふたつ。 パンフレットの「ごあいさつ」のところで、演出の方のコメントが無いのは残念。 実行委員会の委員長のコメントはありますが、今回の演出の方のが欲しかった。 そして、裏面を見ると、今回のメインテーマでしょうか?歌詞が書かれています。 それは別にいいのですが、右下にJASRACの文字・・・・・・・ こんなところにもですか・・・・・・ なんだかな~と思いました。県が関わっていたり、財団法人が関わっていると厳しいんでしょうね。 さて本編・・・の前にレーザー光線により映像。 緑の映像で綺麗なのですが、一部が点滅するんですよ。これが目に痛い。 しかもこの映像がけっこう長い。3分ぐらいはあったでしょうか? よくテレビの音楽番組で照明のフラッシュを連続的に点滅させる時がありますが、 あれも私はダメなんです。すごく気持ち悪くなるんです。視神経が弱いためかもしれません。 ということで、今回のこの点滅も見ていて視神経にきました・・・・・ ここは次回改善してほしいと思います。 地球環境を訴える前に、私の視神経に影響を与えないよう配慮をお願い致します。 本編。内容的には、 暗黒の妖怪の始動→子供たちの現状→愛ちゃん困惑→妖怪が愛ちゃんの凄さに気づく→そして・・・ という感じです。1時間半のストーリーなのでけっこう楽に観られます。 暗黒の妖怪の始動の場面ですが、いきなり50人以上登場(汗) わんさかあふれていて、確かに妖怪として気持ち悪い表現です。 ここの最初の場面は長かったですね。 変化があまりないんですよ。 いろいろ、うねっているのはわかるのですが単調すぎて飽きがきます。 ただ、後半の群舞はなかなかのものがあります。 汚物ダンサー(?)が登場するのですが、おそらくダンス選抜された方たちでしょうね。 ここの妖怪たちの群舞は見応えありました。 ここで、競売人役、田邉真司が登場。 うん、雰囲気はなかなかかっこいいです。 すぐにピ~ンときたのは、アルゴミュージカルの「アイスクリーム応援団」の上海ジョーの大人版(笑) わかる人にはわかります。 少しひねくれた性格で、妖怪に加担するのか、人間に加担するのか微妙な立場の役。 こなれた演技は抜群にうまいです。 ソロもたくさんありますが、しっかりした歌声でした。安定感ある歌声ですね。 ただ、じつはひとつ気になる点があって、歌のナンバーがすっごく少ないんですよ。 競売人も同じ歌ばかりだし、暗黒妖怪も同じ歌の繰り返し、 あいちゃんは歌が抜群にうまいので同じ歌でもいいんですけど(爆) これはもちろん冗談。 う~ん、あくまで私の予想ですが、歌うとお金がかるんじゃないでょうか?前述したところに。 だから同じ歌詞、同じ曲が多い・・・・というのは考えすぎかな? もし違っていたとしたら、やっぱり曲は増やしてほしい。 特に暗黒妖怪のナンバーは飽きる。 ようやく子供たちが登場。 演技をやったことがある子、ダンスをやったことがある子、素人っぽい子、様々ですね。 こういう方が逆に楽しいです。 群舞がありますが、市民ミュージカルとしては、よくやっていると思います。 ダンスをやっている子とやっていない子の差は歴然ですが(汗) この時点であい役の前島歩乃果が登場するのですが、ソロは抜群(後述します) 表情付け、存在感、あらゆるものが秀でていて引き込まれます。 ちなみに、彼女のソロだけでなく、何人か子供たちもソロがあるのですが、 青と白のチェックの男の子のソロはなかなか見るべきものがありました。 ただ、残念なことに彼のソロはこれで終わり(涙) 少年の歌声は貴重なのだから、彼にもう少し続けてあげても良かったと思います。 あいが妖怪たちにとって危険人物であるかどうか、判断するために妖怪の捜査官が二人登場。 う~ん、よくわからない。 もう少しひとりひとりの個性がほしい。 ひとりはツッコミ、ひとりはボケでもいいと思う。 同じ雰囲気だとつまらない。 雨が降ってきた・・・という演出で、学校の子供たちより、さらに年少の子供たちが登場。 水色の衣装で、かわいらしいダンスを披露してくれました。 そして、学校の子供たちがよ~やくあいの意見を聞き入れることになります。 地球の環境について考えよう~というところ。 ここでひとり少年がセリフを発します。 「人間はしょ~がねんだよな~」 たった一言発するだけで、そのまま違う話しへと展開するのですが、 この言葉、じつは私たちにとって一番耳に痛い言葉なんですよね。 死神3人衆が登場。 う~ん、よくわからない。 前述した捜査官と同じように特徴がないんですよ。 衣装を変えるとか、性格付けをもっとつけるとかした方がいいかも。 特に死神3人衆が出てきて最後の「落ち」がこれか・・・って感じ。 う~ん見ていてつらい。親父ギャグにもならない。 今年は今からは無理なので、来年改善してほしいな。 ただまぁ~、役割としては重要なことをしでかすわけです・・・ そしてあいちゃんはど~なるか?子供たちはど~なるか?地球はど~なるか?という感じ。 気になった役者前島歩乃果すごい・・・・・・・ もの凄くすごい。 何がって、私の想像を遥かに超える超絶的なすばらしさ。 私も今まで観劇していて、この子はすごいな~と思う方は何人かいます。 服部杏奈、内藤もゆの、清宮愛絵理、高橋愛子、林愛夏、根本玲奈 最近ですと、葉っぱのフレディの古館里奈 ドラゴンファンタジー2の亀和田優希ですね。 元々年齢が低いので、小さくてすごいな~という意味合いにおいて。 ところが、この前島歩乃果はそういった私の概念をすべて消し去るほどの衝撃を与えました。 まずルックスがアイドル系。 そして・・・おそらく真面目系(たぶん) 派手なダンスはありませんが、ほどほどにダンスは踊れます。 演技は本当にすばらしいです。 亡くなられた坪田愛華さん自身を演じているのですが、 まさに彼女が本当に演じているのではないか?と思うほどの、見紛うばかりの自然な演技。 なんとなくですけど、歌のお姉さん的な雰囲気もあります。 セリフのカツゼツは抜群。 表情付けが、これまたすごく可愛いんですよ。 三日月笑顔というと、本田有花や富田麻帆を思い起こしますが、ハッキリ言ってそれ以上の出来。 元々は瞳はパッチリタイプなので、そういう子が三日月瞳の笑顔を見せるとかなり魅力的なんです。 妖怪たちが現れ、とっさに階段下に隠れて、 上にいる相手の様子をうかがうように瞳を動かすところはじつにすばらしい。 ややアニー口調っぽいのは気のせいかな? ちなみに彼女のお姉さんである前島千亜希は2003年アニーのペパー役でした。 さすが私、歌がうまいって書いてある(爆) 前島千亜希は以前のあい役でもあります。 そして、何といっても一番の驚きはその歌唱力。 すごい声量に高音の伸び。 歌唱力というと、なんとなく保泉沙耶を対象にあげてしまい申し訳ないのですが、 この時点で互角クラス・・・たぶん。 歌い方の特徴としては、船越真美子に似てはかなげで柔らかい歌声ですね。 明らかに段違いのレベル。 聞き惚れること間違いなし。 2000人以上のオーディションから選ばれたようですが、 はたして彼女に対抗できる人がいたのかどうか、それすらも疑問。 (事務所抜きで、素人参加レベルにおいて) 大手のファミリーミュージカルの主役級を食うほどの実力といって差し支えない・・・ と私が勝手に断言します(笑) それだけ至宝の逸材。 ただ、本人にこれから本格的に役者の道に行くかどうかはわかりませんが。 ひとつ言えることは、彼女は本当に坪田愛華さんの意志を他の方に伝えようとしていることは事実です。 公演で彼女は語ります。 「私は伝えたい・・・・・・」 この一言がじつに重い言葉なんですよ このミュージカルにとって一番の訴えどころでしょう・・・私も感動しました。 本当に涙が出そうになりました(でも我慢した) 総括内容だけを観れば、まだまだ改善の余地がある舞台だと思います。 正直、前島歩乃果の力によるものが大きい。 もちろん、他の出演者、スタッフ等尽力をつくしていますが、 主役の子のみに頼らなければならないのはつらい。 もちろん坪田愛華さんの話しではありますが、サブキャラクター等を用意して、 もう少し学校関係の話しを膨らませてしほしいですね。 子供向けミュージカルとしては、飽きる部分を無くしてほしいのも願い。 坪田愛華さんの意志が伝わらないうちに子供たちが飽きてしまったら本末転倒ですから。 とはいえ、感動する部分はたくさんあります。 終盤の、あい、競売人、そして子供たちの歌声。すごく心に染みいります・・・ この舞台を観られることが出来て、私は本当に幸せでした。 ※敬称略 |