森は生きている 2007

◆公演時期   2007年8月2日(木)〜5日(日)
◆会場 シアター1010
◆演出・作詩 安崎 求
◆振付 名倉 加代子
◆作曲 脇田 崚多郎
◆脚本・プロデューサー 川崎 登
◆原作 サムイル・マルシャーク
◆翻訳 湯浅芳子

あらすじ
日は12月最後の日、
新しい年がもうそこまできている、夕方のことでした。
雪の降りしきる森の中を、ひとりの娘が、
たきぎを積んだ小さなそりをひいて家に帰ってきました。
みなしごが寒さにふるえがら家に辿り着くと、継母が言いました。
『もう一度森へ行って、マツユキソウをつんでおいで、女王様のおふれが出たんだから・・・』
女王様の言葉は絶対・・・
しかもマツユキソウは春に育つもので、冬にあるはずがありません。
そうとわかっていながらも、娘は、かごを持って森へでかけました。

もう日は暮れて外は吹雪です。
娘は激しい寒さでこごえてしまいそうになります。
とその時、森の奥の方にたき火の火が見えました。
それは、12の月の精たちが、1年に1度の集まりのために、たいていたのです・・・・・

観劇感想

2004年2005年2006年に続いての観劇です。
去年と比べて演出上に大きな変化はないと思います。
詳細は上記を参照していただけると幸いです。
今年の舞台を観て「この場面が・・・」と言う内容的感想が少ないのがつらいところ。

流れは、
一幕で、娘と老兵の出会い→女王のマツユキ草捜索命令→娘と継母、義姉(マツユキ草探し)
→娘と12月との出会い→再び娘と継母、義姉(指輪盗られる)
二幕で、女王と継母、義姉のマツユキ草を見つけた経緯報告→娘、女王とともに12月と出会う
こんな感じです。

「森は生きている」のジュニアメンバーも、葉っぱに負けず劣らずレベルは高いです。
「葉っぱのフレディ」のメンバーが凄かったので、
「森生き」メンバーがどうなるか正直ちょっと不安でしたが、私が悲観的すぎましたね。

娘の石川由依と4月の田村雄一との「ころがれ〜ころがれ〜指輪よ〜」の場面。
二人とも歌がうまいので、すごく聞き応えあります。
ここはかなり好きですね〜!
さらに黒木マリナが指輪を投げ捨てて、
石川由依が切実に精一杯の声でこの言葉を唱えるところは、
彼女の表情に悲壮感があってとってもいい。

私的に一番気になるのは、最初と最後に老兵役の沢木順さんがソロで登場するところ。
う〜ん、あまり前に出ないほうがいいな〜と思いました。
始まっていきなり客いじりですからね・・・
それでもって最後にも登場。
「葉っぱのフレディ」も最近では教育的に押しつけがましい説明が無くなり、
観客自身が命について考えることになっています。
がしかし、「森は生きている」では、語り部役が自然について教育的な説明。
ここはあまり強くしてほしくないな〜

今回もダブルキャストですが、あまりダブルキャストの意味がないかもしれない。
どちらを見ても普通に観られるのですが、変化はほとんどんありません。
子役も特にずっと出番があるわけではないので、1日2公演でも十分でしょう。
もともとの出番が少ないので、そこをダブルキャストにしても変化が無いのは当然。
この舞台だけに限らず、「出演した」というネームバリューの意味合いはありますけどね。

気になった役者は・・・

女王役の黒木マリナ
彼女は去年に続いての女王役。
うん。言うことないほどうまいです。
か弱い役ではなく、気の強い役をやらせた天下一品。
表情の変化も楽しいし、演技もうまいし、カツゼツもいいし、歌もいい。
神戸みゆきと比較されがちですが、彼女なりの女王役を確立したと思います。
アニメ声と、舞台用の声とをうまく使いわけているところもいい。

娘役の石川由依
去年の3月役で観たことはあるのですが、主役クラスでは観劇は初めて。
うまい。演技いいですね!
カツゼツはしっかりしているし、すごく聞き取りやすい。
なんというか、私の見方として、
彼女の当たり役になるのはこういった、か弱い、いじめられ役かも(笑)
黒木マリナとは対照的になりますが、いじめやすい(爆)
継母に椅子をひっくり返されるところなんて、やりすぎかも〜なんて肩入れしてしまうほど。
言い方は変かもしれませんが、「受け」の演技はうまいです。

歌はすごくいい。もっとアニメ声かな〜と思いましたが、
じつに声が伸びています。予想以上に凄かった。
私的には大満足です。

ただひとつ、マツユキ草を探すために再び雪山に入って倒れるところは、
不思議とあまり感動はしませんでした。
ここをもう少し頑張ってほしいかな?

4月役の田村雄一はライオンキングのムファサ役。
プロですからね。演技も歌唱力も抜群。言うことないです。
ただ一点。
完全に私の空想かつ妄想で申し訳ないのですが、
私が娘役だとすると(そんな仮定も微妙ですが)
憧れの対象としてちょっと年齢が高いかな〜と思いました。
ひと目見るだけでわかりますが、完全にマッチョ体質なので、娘はそこに惚れたのかも(爆)

義姉の及川健、継母の後藤英樹のいじわるコンビもなかなか良かったです。
一回目の観劇では、もう少しいじわるパワー欲しいな〜と思ったのですが、
二回目ではかなり弾けてアドリブも多かったです。
おそらく慣れてくると、どんどんテンションが高くなっていくようですね。
私的にはもう少し、継母はいじめパワーが強くてもいいかな〜?と思いました。
義姉を活かすために、ややパワーを落としたのかも。

今回の博士、佐山陽規は、おどおどしたおとぼけ老博士という感じでしょうか?
これはこれで味わい深かったです。

1月の宇都宮直高
彼もライオンキングのシンバ役でした。
う〜ん、この人の歌い方がすっごく好き(恋)
私に合っている感じ!
落ち着いた雰囲気がすごくいいし、知的で穏やかな歌い方がグッド!
歌唱力の印象度としては私的には一番!

10月の河村和奈は去年に引き続いての出演。
端正なルックスと瞳の美しさで、10月、女官、両方ですごく印象に残るんですよね。
去年の感想と同じだ(笑)

3月のMaimi
・・・・・・・・う〜ん、
この3月って、私の中ではかなり重要な位置を占めるんですよ。
過去に黒木マリナ、そして石川由依が演じていて、娘、女王へと転身するわけです。
それだけ重要なポストにもかかわらず、彼女は初舞台・・・・・
それはともかくとしても、歌がとりたててうまくはない。
特に歌っている時の表情がイマイチ。
現時点での存在感は薄い・・・・・・
なんでこの役なんだろうな〜というのが率直な感想。
他にも歌が上手い人はたくさんいるのに・・・
ここはかなり疑問符。

8月の嶋津えりかですが、彼女はなかなか目立ちます。
どちからというと、女官の時のほわわ〜んとした感じがいいですね。
パンフレットの写真より、実物はやや三日月瞳。
ここがいいんですよ〜!私的に好きなタイプ。

5月の小林風花
なぜソロがない(涙)
「歌と小林風花はセットでしょ、常識的に考えて」と個人的な意見。
彼女の歌声を客席に披露できなかったのはかなり残念。
特に5月はあまり出番がないので、ウサギの方が逆に見応えありました。
歌だけでなく、彼女はダンスも頑張ってますから。
凛とした表情は存在感はアリアリ。
だからこそソロが無いのがつらい・・・
ちみなに超蛇足ですが、狼が天に召されている時に聞こえてくる歌は彼女だそうです。
私でも気づかない(爆)

7月の奥村優希
2004年のアニーでケイト役
2005年ではめぐり姫萬國漫遊記にも出演していました。

彼女の成長、じつはすごく期待していました。
背は伸びましたね。中一ということで、ちょうどいい感じでしょうか?
彼女の特徴は、独特な表情の変化。
普通の人の表情とは違い、ちょっと特殊なんですよね。
上目づかいにも見えますし、人を上から見下ろすようにも見える。とにかく面白いんですよ。

ただ、今回ちょっと気になったのは7月の立ち姿。
いろいろ表情が変化する役は見ていて楽しいのですが、
月の役は基本は無表情。
これが、彼女の特有の表情付けを封印してしまった気がします。
ということで、無表情の彼女は・・・なんだか眠たい感じ(爆)
瞳というか、まぶたが重い感じなんです。
だからこちらも眠たくなってしまう・・・
ここはこれからの課題かもしれない。
7月は、後半で季節が変わる連続変化があるので見せ場はありますが、
あまり彼女の実力を発揮できないかな〜?
そちらよりも、リス役の笑顔の方が好きですね。
表情の変化があったほうが断然楽しい。

同じく7月の稲葉美優
彼女はかわいいと思うのですが、今回はなんか特殊な髪形ですね?
ここは・・・・・私は好きではないな。

女官役の石毛美帆水谷まりは二年目ということで、
無難にこなしていました。
とりたてて特に言うことはありませんが、
石毛美帆のスタイル、線の細さはすごいですね。あやかりたい(笑)
娘の影役のダンス、頑張ってました。
水谷まりは前回も言いましたが、女官役の髪飾りは抜群に似合う。
まぁ〜それだけなんですど(爆)
きのこについて問答するところは、彼女らしい感じ(笑)

女官役ではもうひとり、大坂のどか
この人は目立つ。
端正なルックスに、瞳が大きい猫目。
否が応にも目が行きます。
かなり印象深かったです。

リス関係は、ほとんど良くわからないので、すみません。
二度目ならなんとか把握できますが、
初見だと、パンフレットの写真の髪形とは違うので誰が誰やらわかりづらいんですよ・・・
まともに観たことがあるのは、アルゴに出演していた石黒貴己ぐらいでしょうか?
その石黒貴己ですが、黒髪が良く目立つ(笑)
パンフレットの写真はちょっぴりふっくらしていますが、
実物は痩せています。たぶん写真は少し古いのかな?
彼女はダンスですね。ここは良く目立ちます。

そんな誰が誰やら判断しにくい中で、初見として一番印象に残ったのは松村理子
特に一幕後半の民衆のシーンのダンスは、切れのあるダンスで見映えが良かったです。
たしか彼女ともうひとりセンター近くで踊っていた子がいたのですが、その子も目立っていました。

リスの瀬戸口美桜がおでこと瞳パッチリで印象には残ってます。
それから赤須千夏もなかなか頑張ってました。
目と口が特徴なので、けっこうわかりやすかったです。
横山なつみ、大室郁乃、木下理華子も小さい体で頑張ってました。
頑張ってました・・・というコメントでしか対応できず、申し訳ありません。

総括
去年と大きな演出の変更は無かったものの、娘役の石川由依がいじめられ役を好演。
私はとても良かったと思います。
3月がキーポイントなのですが・・・・・・来年どうなるのかな?

(敬称略)


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