◆ ミュージカル「CHANCE2007」


◆公演時期   2007年4月14日(土)〜15日(日) 
◆会場 セシオン杉並ホール
◆制作総指揮・作・演出・振付 郡司行雄
◆美術 宮原修一
◆照明 川本友
◆音響 柴田道幸

あらすじ
麗と沙耶加と麻衣は幼なじみ。
小さい頃からの夢はスターになること。
3人はその夢を叶えるために大手プロダクションのオーディションを受ける。
沙耶加は見事グランプリに、麗もシンデレラガールのひとりとして選ばれる。
しかし、アクシデントがふたりを襲う・・・・・
(パンフレットより引用)
観劇感想
ダブルキャストですが、赤組のみの感想です。

なんといっても2001年以来の観劇。
あの頃は、
「末永遥よ・・・・・」
という自分の中のツッコミが今でも忘れられません。
まぁ、そういう経験を経て「轟轟戦隊ボウケンジャー」での活躍もあるわけです。

他の方から、この時とはかなり変わっていると聞いていたのですが、
流れ的には変わってませんね。
休憩込みの2時間なので、正味1時間45分くらいでしょうか?

出演者が多く、さらには有名な方もいるので、
それぞれに良い場面やセリフを用意しなければなりません。ここが難しいところ。
そのためか、なかなかメイン3人の思い入れに集中できない。
シンデレラガールのメンバーの話はもっと膨らませていいと思いますが、
制作サイドの話は少し重たい感じ。舞台の流れが止まる印象も受けます。

そんな、やや単調な部分もある中、
すべてを払拭してくれたのが原田京の演技。
別におべっかを使うわけでもないが、彼女独特の間というか演技が無かったら、
さらに面白味に欠けた舞台だった気がします。
同じ郡司企画の「GANG」や「PRESENT」という重いテーマとは違い、
明るいエンターテイメントの舞台ですから彼女の演技に救われたところは大きい。
こういったコミカルな演技をしないで普通〜〜〜にストレートな感じだと、
少なくとも面白味には欠ける舞台になっていたと思う。

「面白さは必要ない」という人がいれば、それはそれでかまわないが、
「観ていて楽しいな」「5000円を払って良かったな」
そう思えることが重要・・・・・だと私は思う。
もちろん、シンデレラガールのメンバーのやりとりや、
レビュー、テレビ局の歌手等、面白さが伝わる場面は多い。
でも、それにもまして原田京の演技は楽しかった。

片桐麗が落ち込んで地元に帰郷するまでの過程は、
もう少し重い方が良かったような気がします。
やや淡白で、なんとは無しに帰郷してしまう感じ。
もっと高圧的に叩かれても良かったかな〜?

歌っている時にスモークが発生しますが、私が観ている回は多くだしすぎ。
スモークはのどを痛めるので、歌っている人も大変なんですよ。
このへんはしっかりしてもらわないと。
本番で出演者ののどを痛めてしまったら、本末転倒です。

それからパンフレットですが、画像が荒過ぎ。
これはしっかりしてもらわないと困る。
800円も払って、なんで出演する人の画像が荒いの?
圧縮した画像を無理やり拡大しているから、こうなる。
パソコンの知識が少しでもあれば、誰でもわかることなのですが。
なにより、掲載された本人がショックでしょ。
パンフレット代の800円を取るならとるで、パンフレットはしっかり作ってほしい。

気になった役者さんは・・・
出演者が多いので、全ては把握できません・・・すみません。

片桐麗役の原田京
彼女のことは「東京メッツ」時代から見ているわけですが、
性格に近い麗役でしたね。
(彼女の全てを知っているわけではありませんが)
3枚目的な役は抜群にうまいです。
彼女オリジナルの麗役かな?演技的にやりやすかったことでしょう。
21歳が17歳の演技ですが(笑)
残念ながら白組の主役、綾花ちかは見られなかったのですが、
おそらく違うタイプの麗役かな?

いろいろなタイプの演技をできるのが「女優」ではありますが、
やはり、得意なタイプだと彼女の演技は光ります。
明るくお茶目でコミカルなところはとても楽しいし、
ソファーで跳ね上がっている子供じみたところも好感が持てます。
こういうところを見ると、
子供をあやす、歌のお姉さんとかがすっごく似合いそうな気がしますね。
そういった仕事をやらせてあげたい。
NHKの方、見ていたらピックアップしてください(笑)

まっそれはともかく、やりやすい演技のため彼女の演技力は光るし、
ダンスもいいし、歌唱力も前に比べるとさらに良くなってます。
風邪気味だったようですが、舞台上では全く気になりませんでした。
個人的に最後に彼女のオンステージのようなナンバーがあるのですが、
歌うのはともかく、ラップは微妙かも(爆)
普通にストレートな歌を聞きたかったのが正直なところ。

多人数の舞台のため、
場面場面でその出演者たちをピックアップさせなければならず、
間がもたないところもあり、単調な流れになりそうになります。
その流れをうまく変えたのが原田京の演技。
お客さんの笑い、子供からの笑いも多かったのが印象的。
別にお世辞でもなんでもなく、
彼女のコミカルな演技がなければ、つらい舞台であったことは間違いない。

沙耶加役の唐沢美帆
彼女の演技はGANG2006のランラン役以来。
ルックス抜群で、めちゃくちゃ華があります。
美人としかいいようがない(爆)
演技も良いけれど、やっぱり歌唱力。
本当に聞き応えある、素晴らしい歌声ですね。
赤組の中ではナンバーワンでしょう。声量がものすごいもの。

ただ、怪我をした演技なので、立ち振る舞いがないのは残念。
凛とした立ち姿に定評がありますから。
そういった「魅せる」という部分で彼女が観られなかったのもちょっと寂しい。
真面目な話、彼女はさらに大きな舞台で観てみたい気がします。
チャンスをつかみとるのはなかなか難しいと思いますが、
ぜひ頑張ってほしいな。それだけの力を持っていますから。

岸本麻衣役の岩田麻衣
ルックスはコケティッシュな感じでとっても可愛らしいです。
メインキャスト3人のうちのひとり。パンフレットの表紙にも載っています。
にもかかわらず、めちゃくちゃ地味な役・・・・・・
自分をアピールするところがありませんから。
これだったら、シンデレラガールたちの方がまだ出番があります。
だからこそ彼女だけダブルキャストではないわけですが・・・
もちろん、二人を見守る優しい性格の役柄であることは承知の上ですが、
それにしても、ちょっとね・・・感想すら書けない。

桜井瞳役の綾花ちか
残念ながら白組主役の片桐麗役は観ることがてきませんでした。
おそらく、原田京とは全く違った麗役を演じたことでしょう。

ただ、この桜井瞳役だけでも彼女の実力がわかります。
ルックスは、これまた言うまでもなく美人。
まさに後光が差すような感じ。とにかく目立ちます。
ダンスの先生役(?)とバックダンサーでも登場するので、
ダンスの実力がすぐにわかります。これはすごい。
もちろん演技は言うことなし。
元宝塚歌劇団ですからね。その名前は伊達じゃない。
桜井瞳役ですら印象深いのですから、主役の時も想像に難くありません。

キャシー役の絹川麗
彼女の演技は僕らのかわいい女神様GANG2006で拝見しています。
前に比べると、ずいぶん演技が良くなりましたね。
元々レースクィーンですが、女優として目覚めてきた感じがします。
マネージャーのキャシー役だけではなく、司会役など多数の役もあり、
よくこなしています。
あとは、さらにカツゼツがよくなるといい感じ。
彼女の場合は演技の上達の成長度がよくわかるので、
観ていて感慨深いものがあります。

田村亮一役の水野友紀
この人は只者じゃないでしょ。
経歴を見ると「レ・ミゼラブル」にも出演していますから。実力者です。
特にソロがいいんですよ。
男性がこれだけ低音で渋めに聞かせてくれると、ひじょうに嬉しい。
特にファミリーミュージカルだと男性が弱いことが多いので、
男性のソロは貴重。
私的に大好き(爆)

シンデレラガールの中では、斉藤恵子役の水無瀬唯が目立ちますね。
元々瞳が大きいために、舞台上からは目立ちます。
彼女がダブルではなく、シングルであるのも頷けるかな。
歌も安定しているし、セリフもまずまず。
タンスも機敏な感じで目立ちます。
なかなか面白い存在。この子はこれから注目したい。
ちなみにGANG2006ではチェリー役でした。

岸純子役の新津つくし
やはりダンスナンバーになると、めちゃくちゃ目立ちます(笑)
質が違いますから。
今回は少しツンケンする役どころでしたが、演技は言うまでもなくうまい。
ただ、後半にシンデレラ・ガールをバックダンサーに控え、
彼女がソロでダンスをする場面があるけれど、
もしかしたら、本来ここは彼女のタップダンスの場面だったのではないか?
と推測する。
結局タップに近いことはしていたが、
タップシューズを履いているわけでもなくスルーした感じなので、
逆に違和感があるんですよ。ここの場面はイマイチだと思う。
意図が伝わらなかった。

山口絵美役の植草ゆりこ
彼女はダンスの場面、意外と隅が多かった。ちょっと不思議。
別にセンターにしろとは言わないけど、もう少しセンターよりでもいいと思う。
決して下手ではないし。
一応、シンデレラガールのひとりなので出番はありますが、
どちからというと地味かな。
彼女の実力を一応知っている私としては、もう少し彼女を活用して欲しかった。
それだけ実力ある子だもの。かなりもったいない気がしました。
まぁ〜出演者全員にまんべんなくセリフを与えなければならないから、
バランスが難しいのは仕方のないことですけど。

真由美役の首藤巳奈もけっこう印象に残っています。
喋りがしっかりしていて、けっこう独特な雰囲気があります。

小さい子の中では、
ゆき役の亀和田優希は目立つ。
物おじせずにしっかりしていて、ダンスもキビキビとしてよく動いていた。
同様に宏美役の佐々木愛理もなかなかしっかりしている。

麗の子供時代の満園梨奈は、正直かなりいいと思う。
カツゼツはしっかりしているし、演技も良くできている。
小さい子の中でも一番印象深い。

沙耶加の子供時代の松浦寿來は、まぁ〜普通かな?

麻衣の子供時代の酒井美鳳佳は、
なんだかすごく甘ったるい舌なめずりな声なんですど(汗)
まっ、まだ小さいですからね。これから頑張ってくれることでしょう。

総括
今回からかはわかりませんが、
企画・制作のところのクレジットに株式会社ホリプロが入りました。
これからも業務提携していくのでしょうか?
今後の進展に注目したいですね。

(敬称略)


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