公演時期 | 2007年4月4日 |
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会場 | 埼玉会館 大ホール |
プロデュース | 井田圀彦 |
作・演出 | 加納健詞 |
あらすじゆきは、母、弟、妹とともにフィリピンへ海外旅行にやってきました。 リゾート気分のゆきでしたが、 とあることから、日本のNPO団体が建てたという学校にやってきました。 そこで出会ったのが、ラニ、コーサという姉妹。 彼女たちはスカベンジャーであり、スモーキーマウンテンに住んでいることを知ります。 スカベンジャー?スモーキーマウンテン? 意味がわからないゆきは、スモーキーマウンテンに行きたくなりました。 ラニたちの友達からは「行かない方がいい」と忠告されますが、ゆきは我慢できません。 ラニはその勢いに負け、ゆきたちをスモーキーマウンテンに連れて行くことを約束します。 スモーキーマウンテンとはいったい?そしてスカベンジャーとは? 感想二部構成で、一部が発表会、二部がミュージカルという形です。 なんだかんだで、2004年から見続けて4年目です。 基本は発表会なので特に言うことはありませんが、気になった点をいくつか。 最初のMCは中村ひとみと小林風花 いきなり、このふたりですか(笑) すみません。個人的にかなり爆笑してしまいました・・・ ふたりとも演技的にはベテラン。 中村ひとみはひじょうにMCがうまくなりました。 なんというかな、三枚目役をやらせると抜群にうまい。 もちろん、いろんな演技ができることが重要ではあるけれど、 自分の得意な分野を見いだすのも、また重要だと思います。 小林風花も、昔に比べるとかなり柔軟性に富んできました。 あくまで私の印象ですが、今まではどちらかというと真面目系だったと思います。 それを今回のMCでは、ボケ・ツッコミの要素をうまく使っています。 オープニング。 まぁ、元気があっていいと思います(汗) 「レ・ミゼラブル 少女コゼット」に増田桜美が配役決定されたことを受けて、 私もひじょうに注目していました。 「CHOCO LATE」/Sugger'sのナンバーでは、赤いスカートでほぼセンター。 これが目立つんですよ。 回りはだいたい同年齢の子だと思いますが、明らかに目立ちます。 私が見る限り、彼女には「華」があります。 去年、私の中で大ブレイクした根本玲奈ですが、 彼女に匹敵と言えないまでも可能性は感じます。 ダンス、タップダンスとこなしていますが、 めちゃくゃうまい!という感じではありませんね。どちらかというと平均レベルだと思います。 初歩の初歩、当たり前のことではありますが、背筋はピシッ!としているし、 落ち着いた印象があります。 今回、出演シーンはかなり多かったです。観ていて印象に残った人も多いことでしょう。 ルックスと雰囲気は、アルゴやココスマイルにも出演していた、名塚佳織に似ています。 招待状は101才当時の感じでしょうか? 演技等の話しは舞台の時に・・・ 「Fire Fighters」(ヒップホップ)では、佐藤由希奈の独壇場(汗) 体の線が細く手足も長いので特に印象に残ります。 この子はこのまま行くと、かなり伸びる予感がします。 「Good morning FUN」で、御大、小林風花登場(笑) 久々の歌声に癒されたいな~と思うのも束の間、 つらい、つらいです。 ミュージカルクラスにもかかわらず、この歌唱力はちょっと・・・ せっかく小林風花、佐々木陽菜の歌声が素晴らしいのに、微塵もなく消えてしまいます・・・ すばらしい歌唱力を持つ人がいても、 全員がそれに対応しなくてはダメなことがここで立証された感じ。 ハッキリ言って、今回たくさんあるナンバーの中でもかなりつらいところ・・・ また、小さい子がふたり登場しましたが、 ものおじすることなく、落ち着いた雰囲気で対応していました。 変わって、好きなナンバーを二つ。 「not alone」と「NUBIA~ヌビア~」 「not alone」の方はダンスです。 おそらく、選抜されたメンバーによるナンバーのような気がします。 宇田千夏、小林風花、富永エリカ、中村ひとみ、橋本聖奈、山田玲菜 すばらしい。言うこと無し。 背が高いメンバーがほとんどで、緩やかで優雅な群舞は圧倒されます。 子役世界では背が高いとオーディションは辛い状況になることが度々ありますが、 こういった背が高いメンバーでの群舞を見ると、 低い子には表現できないダイナミックなダンスがいかに印象度が高いかわかりますね。 ちなみに、小林風花は女性らしい雰囲気をかもし出すようになりました。 良い意味での女性の色気を感じます。いままで全く感じませんでしたから(爆) 少女からは完全に脱却したような気がします。 艶かしいという表現は微妙ですが、やはり色気あるダンスは魅了されますよ、特に男性は。 宇田千夏は中学一年ということでこの中では年齢が下の方ですが、 よくみんなについていってます。 ダンスとしての表現力、感情移入力は、まだまだこれからですが、 今が伸び盛りの時期。今後の成長に期待です。 中村ひとみは、みんなを引っ張っていくリーダー格。 さすがに、なめらかで優雅な表現力。 柔軟性のあるダンスは見ていて魅了されます。 「NUBIA~ヌビア~」 小林風花、佐々木陽菜、山口栞、それぞれソロと合唱があります。 「NEWSエンターテインメント」を観にきたからには、 小林風花のソロが聞きたいのは当然の真理(笑) 癒されたい人は彼女の歌声を聞いてください。 心が落ち着き、優しい気分になれますよ。 しかしまぁ~評価するのもおこがましいぐらいの歌唱力。 これに山口栞の歌唱力も加わると、さらにパワーアップするんですよ。 まいったとしかいいようがないくらい、すばらしい出来ばえです。 佐々木陽菜は本当に頑張っている。それは大いに認める。 ただ、この二人の間に入るのは、本人にしてみると相当辛かったでしょう。 あまりにも一般レベルと歌唱力に差がありすぎますから。 私の方が彼女に同情してしまいます。 3人で歌うナンバーなので、誰かが入らなければなりません。 去年は日下麻彩がいましたからね。それに代わっての佐々木陽菜。 彼女がかかえたプレッシャーは、私が考えている以上でしょう。 他に一部で印象の残った人は・・・ 鷲見紀香はルックスも良く、なかなか印象に残ってます。 橋本聖奈は出番がかなり多かったですね。背が高いので一発でわかります(汗) 牛込星蘭、冷牟田七海、奥真由香、田邊歩も印象に残っています。 二部 「スモーキーマウンテンを超えて」まず、この脚本が抜群でした。 起承転結がしっかりしていますし、話の内容も現実問題を直視していて、じつに面白いです。 子供だけでなく、大人にもしっかりと伝わってくる内容でした。 話の流れとしては、海外旅行でフィリピンに来た「ゆき」が、 日本のNPO団体が建てた学校でラニ、コーサという姉妹に出会い、 彼女たちが住んでいるスモーキーマウンテンに行く・・・みたい感じです。 いきなりネタばれになりますが、 スモーキーマウンテンというのは、大規模なゴミ捨て場のこと。 日本で言えば「夢の島」という感じでしょうか。 ゴミが大量にあることから、メタンガスの煙、はたまた化学反応を起こした煙が沸きのぼり、 嗅覚がおかしくなるほどの悪臭が発生します。 当然、日本人には耐えられませんが、地元の子供たちはここに住んでいることもあり、 嗅覚は慣れてしまっているようです。 スモーキーマウンテンに住む理由は、ここに仕事があるからです。 つまり、ゴミの中から売れそうなものを見つけだし、業者に売り、お金をもらうという感じです。 この仕事をスカベンジャーと言うようです。 ラニやコーサが友人となった「ゆき」をスモーキーマウンテンに行かせたくない理由は、 これを見て、自分たちを見る目が変わってしまうと思ったからです。 ひいきめに見られるのが嫌なんですよね。 しかも「可哀相」と思われるのも嫌なのです。 彼女たちは、このスカベンジャーという仕事に対して誇りをもっていますから。 とまぁ~ちょっと説明くさくなりましたが、こんな話です。 ところどころ一方通行の部分もありますが、さらに物語を膨らませていけば、 アルゴミュージカルにも匹敵する内容だと思います。率直に言って面白いです。 ただ、基本は発表会なので、演技部分に関しては出演者によって微妙なところもあります。 後ろにある膨大なゴミのセットも秀逸でした。 これはけっこう舞台セットに力を入れた感じです。 煙が舞うこともあり、スモークもうまく活用されていました。 気になった役者主役、ゆき役の守山玲愛行動力があり、弟、妹思いの性格を持ち合わせる演技。 最初はお金持ちであることを友達に高々と宣言をする嫌な性格でもあるのですが、 中盤から普通の性格になってしまいました。 ちょっと性格付けの設定がイマイチだったかもしれません。 ただ、守山玲愛の演技は抜群ですね。言うことないです。 彼女は本当に良くやっていると思う。 あくまで私の受けた印象だけれど、何事にも一生懸命。 そして、一舞台、一公演、完全燃焼タイプのような気がする。 長い公演だとまた微妙なんですが、彼女は常に全力投球の演技をするんですよ。 絶対に手を抜かないんです。 それがあるぶん、たまに「浮く」こともあるのですが(汗) ひとつひとつのセリフを噛みしめ、じっくり感情を作ります。 おそらく普通の人より、かなり感受性が高いのかもしれない。 前はまだ少女のイメージがありましたが、さすがにもうお姉さんという感じです。 なんとなくですが、声の雰囲気が変わった感じがしました。変声期なのかな? ラニ役の佐々木陽菜本当の性格は全くわかりませんが、この役としては、ホワホワ~とした穏やかな感じです。 役に合っている感じがして良かったです。 コーサ役の増田桜美「レ・ミゼラブル 少女コゼット」のコゼット役ということで、演技にも期待していました。 たぶんですが、のどの調子がよくないのかな? あまりセリフとしての声量を感じません。声の張りもない感じ。 カツゼツもイマイチなんですけど・・・・・・ 現段階ではちょっぴり不安が残ります。 表情というか、瞳はすごく光があって引きつけるものがあるのですが・・・ フィデル役の山田玲菜も面白い存在。気の強い役、いじっぱりの役は似合うかもしれない。 雰囲気的には田中みいやという感じかな? 演技的にもなかなかいい感じでした。 ゆきの同級生、まゆ役の山内梨月奈、みさき役の田邊歩、高橋役の神山未裕、 いずれも頑張ってました。 特に印象深いのが田邊歩 面白い。 顔が小さく、スタイルもいいし、手足も細くて長いです。 今回は、つんけんするお転婆っぽい役柄でしたが、いい演技をしていました。 さらには、スモーキータウンに住む少女としても登場し、 なかなか美味しい役を与えられました。 これからちょっと注目したい女の子です。 ゆうぞう役の中村裕蔵となつみ役の矢島夏美またこの二人なのかと(笑) 2005年、2006年と物語の流れとは別ルートで展開するこのふたりのやりとり。 去年は流石にもうお腹いっぱいだな~と思ったのですが、 これだけ何回もやってくれると、逆の意味で楽しくなりました(爆) 演出家は、まちがいなくこのコンビが好きですね。 ちなみに中村裕蔵はまだ声変わりしていないので、変わった時が楽しみです。 それまで出るかはわかりませんが。 矢島夏美の方がそろそろ飽きるかも。 総括二部の舞台は私が好きなタイプの劇だったので、とても楽しめました。 つくづく守山玲愛は偉いな~と思います。 発表会の舞台で、映画並の真剣さ200%ですから。大人の私でも尊敬する。 観客に伝ようとする彼女の表現力はすばらしいです。 ※敬称略 |