公演時期 | 2007年1月6日 |
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会場 | 五反田ゆうぽうと |
脚本・演出・振付・プラン | イマジンミュージカル |
演出・歌唱指導 | 石橋俊二 |
振付 | 設楽みのる |
歌唱指導 | 染谷妃波 |
衣装 | 神場やす江 |
あらすじお父さん、お母さん、4人姉妹で暮らしている田中さん一家。 みんなが忙しく、なんだか家族はバラバラ。 四女が通う小学校のPTA総会で「家族対抗歌合戦」が開かれることになり、 なんとか家族をひとつにまとめようとしますが・・・・・ (パンフレットより抜粋) 感想昨今のさまざまな事件には、 「家庭」「家族」のキーワードが見え隠れします。 もう一度家族を見つめなおそう」 そういった感においても、今回のこの舞台はとても印象深いものとなりました。 アクション、サスペンス、歴史、SF、アドベンチャーものではなく、 ありふれた日常生活がメインなので、それをいかに舞台向けにするか? これは「ガラスの仮面」でいう「通り雨」のようなもの(笑) 難しい脚本だったと思います。 それをルー大柴のキャラクターを中心として、成功した舞台だったと思います。 アフター5、合コン命の長女、 就職活動と言いながら父を騙してミュージカルのオーディションに挑戦する次女、 全寮制の私立高に合格するため勉学に励む三女、 家族みんながまとまってくれればいいな~と思う、おっちょこちょいな四女 キャラクター付けはしっかりしていました。 それに父と母が加わった6人がメインキャストなので、 家族向けとしてはわかりやすいです。 「区別がつかない」ってことはなくなりますから、これは安心。 一番印象に残ったナンバーは、 ルー大柴、関根麻里、大野朱美、渡辺里佳の4人とアンサンブルで歌う場面。 ここがじつにいい! ひとりひとりのキャラが際立つし、彩り鮮やかな照明も繊細、 まさにエンターテイナーという感じです。 アンサンブルの方もたくさん出演していますが、みなさん実力者。 短い出番がもったいないくらい。 派手な場面がここしかないのがつらいところですが・・・ M(音楽)の印象はちょっと薄いですね。 舞台の流れとして、音楽が流れていたかどうかも忘れてるぐらい・・・ もちろん、ミュージカルナンバーはありますけど。 最後に田中家が歌った「翼をください」の印象が強いせいかな? エンディングは華やかでグッド! 爽やかに、見終わってほがらかになる気分が大事です。 まさにハッピーファミリー!(ありきたりの締めの言葉だ・・・) 気になった役者お父さん役のルー大柴言うことない(笑) あれはあれで全くOK! いつものまんまの演技だったがgoodですよ! ルー大柴は本当にいいな~と素直に思う。 テレビでの活躍もいいが、生、ライブはすごく光る。 私もトゥギャザーしたいもの(笑) いつもの日本語、英語を組み合わせ、さらには子供の観客がいるための補足説明(笑) それが逆に笑えるんですよ。 この舞台としては最高のキャラ。 お母さん役の相本久美子森は生きている2006でも活躍しました。 実力があるので言うことないでしょ。 お母さん役はじつにいいですね! こういうお母さんが欲しい、という理想像。 長女アケミ役の大野朱美いや、この人はうまいでしょ。 喋りもなめらかだし、演技もしっかりしています。 長女というポジションをうまく引き出していたような気がします。 次女マリ役の関根麻里関根勤の娘、そして初舞台ということでかなり注目されました。 ダンスは「めっちゃすごい!」というわけではないけれど、 あれだけ踊れれば十分だと思います。良くやってますよ。 表情の豊かさもなかなかいい。 多少ぎこちないところもあるけれど、それほど目立ちません。 歌唱力はまぁまぁかな? 歌の発声や演技での発声は、まだまだだと思う。 舞台特有の声質ではありませんから。 セリフの喋りは、やや低音のこともあり声がこもります。 ここは次回改善してほしいかな。 それから、セリフ、歌、ともに軽い。 ただ歌っているだけ、喋っているだけという感じがします。 セリフの意味、詩の意味を理解しているのかちょっと疑問。 それに対比しての渡辺里佳がいるから、よけい目立つんですよ。 ここも次回に期待。 バラエティやコントをを軽視するわけではありませんが、 それの延長線のような気がしないでもない。 それでも初舞台でここまでやるんですから、よくやっています。 次回出演するときは、さらなる向上を期待します。 素材はとても素晴らしいものがありますから。 三女リカ役の渡辺里佳喋り方が抜群にいい! 存在感アリアリだし、ルックス、演技、表情、ダンス、歌、すべていい! エターナルファンタジー演劇大賞 2006年のMVPをとっただけのことはある(笑) 特にダンスが良くなったような気がする。 何気ない微妙な表情の変化もうまい。 なんというか、体の力が抜けていて自然体で演技をしています。 彼女は8歳時の「若草物語」四女エイミー役から観ているのですが、 その頃から実力がありました。 それを経て、衰えることなく進化していく彼女の努力には脱帽。 ふと思ったのは、南青山少女歌劇団の大越史歩。 彼女の独特の雰囲気に似ているんですよね。 間違いなく舞台役者として次世代を担うひとり。 四女役の上之薗花奈まだ小さい子なので、これからどんどん伸びると思います。 あくまでも現時点での感想です。 う~ん、微妙ですが悪くはないと思います。 セリフはまずまずしっかりしているし、喋り方はかわいらしい。 ほわほわ~とした演技ですね。これはこれで面白い。 歌唱力ですが、音程はとれていると思います。下手ではないですよ。 ただ声量がともなわないだけ。ここはこれから練習すれば伸びますから。 彼女のナンバー、ソロもありました。私としては無難に見ることができました。 年齢から考えればこのぐらいで十分。 ただ、同年齢の子にしてみると、どう思ったでしょうか? 「私の方ができる」と思った方はたくさんいるでしょうね。 その思いを次につなげるための糧にしてほしいです。 ダンスは・・・これからでしょう。 問題は、なぜ彼女を選んだのか? やや地味な感じで(失礼)あわてんぼうのイメージがあるのかもしれません。 (また妄想で申し訳ない) 実力的に言えば、アンサンブルに出演している飯嶋あやめ、松下莉子クラスでも、 十二分に四女役をこなすことができるでしょう。 ただ、キャラ的に飯嶋あやめはやや派手な(?)印象が、 松下莉子は真面目系(?)な印象があります。 それをふまえての上之薗花奈とい選択ではないでしょうか? 灰色の脳細胞をフルにいかした私の妄言です。 まぁ役者なので、いろんな役を演じることはできますけどね。 隣の奥さん、染谷妃波イマジンではおなじみの個性の強いキャラ(笑) アルゴ出身の彼女を見ると、頑張っているな~とつくづく思います。 歌唱指導を彼女がしていることからみても、やっぱり要なんでしょうね。 アンサンブルセリフのある二人、飯嶋あやめと松下莉子はすぐにわかりますが、 あとなんとかわかったのは、中井千紘と佐澤舞花、佐藤瑞季ぐらいでしょうか? 他は全くわかりませんでした。すみません。 飯嶋あやめ表情が豊か。三日月の瞳がよく目立つ(笑) 特に気がついたのは、一番最後でルー大柴が登場する場面。 ここは出演者たちがスローになるのですが、柔軟な体をいかして大きくのけぞります。 これがすごいのけぞり方。彼女にとって一部分ではあるけれど、 努力の一端を垣間見た気がします。 2006年演劇大賞にノミネートはされませんでしたが、今年は相当出てくる予感がします。 松下莉子エターナルファンタジー演劇大賞 2006年優秀女優賞を獲得(笑) う~ん、彼女は目立つ。存在感がすごくあるんですよ。 特にダンスかな?キビキビとした切れのあるダンスでした。 今年も大活躍する予感。 他にも、中学校の制服を着ているダンスのうまい子もいますし、 かなり小さい少年の子はダンスに目がいきました。 が、誰かわからず(汗) 総括さすがイマジンのミュージカル!という感じで全体的にしっかりしていました。 コメディとしてとても楽しいし、演技もしっかりしているし、ルー大柴が全部持っていくし(笑) ハズレはありません。 やや、音響の不備があったことは次回の課題でしょうね。 私としてはとても楽しめました。 ※敬称略 |