公演時期 | 2006年12月19日~21日 |
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会場 | ラゾーナ川崎プラザソル |
脚本・作詩 | アンソニー・ドリュー |
音楽 | ジョージ・スタイルス |
美術・衣装 | ピーター・マッキントッシュ |
翻訳・訳詩 | 保坂磨理子 |
演出 | 鈴木孝宏 |
振付 | 藤井真梨子 |
あらすじアンデルセンの童話、「みにくいアヒルの子」のお話です。 感想「ラゾーナ川崎プラザソル」での公演は初めてでしたが、とても見やすい場所でした。 それほど大きなキャパではないので、どこの席からでもステージが良く見えます。 舞台内容としても、率直に言って楽しかったです。 ダンス、歌、演技、全てにおいてすごくしっかりしている舞台。 歌がメインであるのだけれど、やはりダンス、振付が印象深い。 これは振付の藤井真梨子氏の影響力が強いせいでしょう。 それが顕著にあらわれるのがオープニング。 ドレイク役の安福毅のソロがすばらしく、導入部分としては申し分ありません。 これからどんな舞台が始まるのかドキドキする感じです。 大人キャストが勢ぞろいしての「とりとめのない鳥の話」のナンバー。 いわゆる自己紹介ナンバーですが、ここがじつにいい! ダンスシーンがじつにしっくりくるんですよ! ひとりひとりの実力があるため、見栄えがあります。 私の一番好きなナンバー。 衣装の各色付けはうまいと思います。 こういったところは、観客にもじつにわかりやすい。 また、照明の切り換えもよく、暗転もスムーズ、音楽の使い方もじつに絶妙。 小さな舞台でも完成度が高く感じます。 こういった裏方の実力も重要。 楽しい舞台ではありましたが、やや物足りない部分もあります。 できうるなら、もう少しエンターテイメイントの部分があってもいいと思います。 教育的な意味合いもあるので、対個人のひとり芝居的の部分が強い気がします。 実力のある方ばかりなので、各々の見せ場が必要なことはわかるのですが、 子供向けであるとするとやや飽きる部分かもしれない。 もっと華やかさ、ユニット的なナンバーがあっても良い気がする。 子供が口ずさめるような、簡単なナンバーもほしいかな? エンターテイメイントと教育性、難しい二律背反なんですけどね。 でっ、何を言いたいのかというと・・・・・基本は家族愛かな? 血のつながりはなくとも「家族は家族」みたいな感じ。 さらには外見で人を判断してはいけない。 「いじめ」につながる意味合いが含まれています。 私が受けた印象はこのふたつでしょうか? とはいえ、そこまで深く考えずに普通に物語を楽しめればそれでいいんですけど。 アンサンブルはわざとやっているのですが、 魚のところも、カエルのところもメガネ付き・・・・・ 誰が誰やらさっぱりわかりません。 雰囲気的に、川綱ゆめはわかるのですが、他はサッパリ・・・・・ 間違いなくわざと地味な感じをだそうしているのですが、 正直、やっているメンバーはつらいところでしょうね。 まっ、これも経験のひとつなのでしょう。 蛇足ながら、川綱ゆめのスタイルは抜群。 新津つくしの細さに匹敵する(爆) ラストはちょっと意外かな? でもこのご時世。こちらの方が本道でしょう。良いと思います。 そして、とあるものを渡されるのですが・・・・・ 個人的には「そんなものはいらん!俺は俺だ~!」と、 突っぱねた方がカッコいいですけど(爆) ちょっと論点変わりますが、違う点からツッコミを入れるのであれば、 同人誌掲載の感想文をパンフレットに載せるのはどうだろう?と思う。 別に同人誌を過小評価しているわけではありませんが、 パンフレットを観た客としての受け取り方としては、少し違和感を感じます。 「公演アンケートの感想より」の方がしっくりくると思います。 あまりにも美辞麗句を並べ過ぎると引く。少なくとも私は。 気になった役者みにくいあひるの子役の木村昴アニーのタップキッズ時代に比べると、かなり大きくなりました(笑) 毎回毎回、会うたびに「ジャイアン」と呼ばれるのがつらいところ(汗) それはともかく、彼の演技は観るのが初めてです。 声質はかなり独特です。ジャイアンの時はかなり低めに設定しているんですね。 普段はやや高め。本質がややかすれ声だから、気になる部分はたしかにあります。 だが、それを十分に補える演技力はとてもすばらしいものがありました。 振りというか、パントマイムというか、ボディランゲージというか、 独特の間合いがあってなかなかいいですね。 アメリカンテイストな感じ。 癖があるので好き嫌い別れるかもしれませんが、私は好きです。 主役、良くやっていると思います。 ある意味準主役のアイーダ役、福井小百合「母は強し!」という感じで、母性愛あふれる母アヒルを演じます。 プロなので特に言うことはないです。はい。 抜群の歌唱力、それゆえのソロの多さでしょう。 アヒル兄妹役の関谷愛里紗久々の彼女の舞台。とても楽しみにしていました。 雰囲気自体は昔とまるで変わりません。少し痩せましたね。 背が低いこともあって、普通に中学生に見えます(爆) ちなみに現在高1・・・・・ 彼女は発声の仕方が若干変わったように思えます。 舞台女優らしい、ハッキリとした喋り方になりました。 落ち着いて聞き取りやすいです。 前はまだそこまでの域に達しておらず、少しこもっている感じがありました。 彼女は努力していますね。 それからもうひとつ思ったのがダンスシーン。 アヒル兄妹はあまりダンスシーンがないので、 本人がウズウズしているのが手にとるようにわかりました(笑) アヒル兄妹役の高田奈々2007年「ミュージカル アニー」のタップキッズ役。 この子は目立つ。 とりたてて美少女ではない。 だがとてつもなく「華」がある。 とにかく表情に変化があるし、笑顔がかわいいし、目の配り方もうまい。 セリフはそれほど多くありませんが、しっかりしています。 舞台上では渡辺里佳に近い感じで映えます。 舞台を降りると普通な感じですが(爆) 来年がとても楽しみですね!! ただ、あくまで私の感想として、タップキッズはもったいない。 これから実力をつけていけばさらに飛躍できるので、 今からアニー後の活躍も期待できます。まぁ~当分先の話しですが。 ただ、素材は本当にすばらしい。 伊宮理恵、宇山玲加もアヒルの兄姉役ですが、今回に限っては印象は薄い。 特に宇山玲加は数々の舞台、また、声優もしているので注目していたのですが、 この役では実力を発揮できず。 ソロやダンスの場面が少ないので、仕方ないんですけど・・・ 2007年「ミュージカル アニー」タップキッズ役のメンバーも多数出演されていたのですが、 アンサンブルで、しかも見分けがつきにくくわかりませんでした。 川綱ゆめしかわからない・・・ ペニー役の水野めぐみは、間違いなく美人さん(汗) アンサンブル的なカルガモの役でも登場するのですが、目立つ。明らかに目立ちます。 瞳に特徴があるし、おさげの髪形がまた似合うんですよ。 ペニー役は完全に惚れました(笑) ダブルのペニー役、小野瑛世も観たかったな~! ダンスシーンはじつにしっかりしてましたから。 水野めぐみとはまた違った感じになるのでしょうね。 ドット、デンブリン役の井上珠美は御大という感じ(笑) 言うことないでしょ。要ですね。 キャット役の和田武面白い。抜群に面白い。 歌もいいし、ダンスもいいし、太めながら運動神経もいいです! こういった個性的な方がいると舞台に柔軟性が出てきますね。 個人的に一番面白かったのが、イスに座る時。 イスに座って足を組むのですが、それがかわゆい(爆) リボンの騎士2003のガマー役にも出演してるんですね。 めっちゃ笑った。 池田知穂は、色っぽい(笑) 編隊の場面はずっと見てた(爆) モリーン、クイニー役の栗原由佳久々ですね。1992年アニーのケイト役、そして1994年アルゴ「「子猿物語」のチョコ役です。 真面目な話し、昔の印象はもうないですね。完全な大人の女性。 かなり重要な役どころばかりです。任せられる理由は当然のことながら実力があるため。 違うキャラを見事に演じていしまた。 また、色気モードも全開でした(汗) 総括じつにしっかりした舞台。レベルも高いです。 大人から子供まで十分に楽しめる舞台でしょう。 まだ日が浅いので、回数を重ねるごとに微妙にアレンジしていくと面白いと思います。 これから大きな舞台に発展していく予感。 ※敬称略 |