◆  SET本公演 「ナンバダ ワールド ダンシング」

◆公演時期   2006年10月14日〜29日
◆会場 池袋芸術劇場 中ホール
◆作 大沢 直行
◆演出 三宅 裕司
◆音楽監修 松田弘(サザン・オールスターズ)
◆振付 JUN、他
◆衣装 水野佳子

あらすじ

ダンサー達たちは、
ヒップホップダンス専門チャンネルのブロードバンド放送開始を一ヵ月後に控え猛稽古をしていたが、
ステップが必ず日本人特有の“ナンバ”の動きになってしまう。
ブロードバンド放送の青年社長は憤慨し、
本場ニューヨークへ行ってヒップホップ誕生の歴史とルーツを探ることを提案する。
その役に選ばれたヤマトを中心にダンスユニットを組んでいるヤヨイ、ジョウモン、そしてココモの四人。
しかし、その四人の旅を妨害する二人の刺客には気づかなかった・・・
はたして、ヒップホップのルーツを探る旅から彼らは何を得られるのだろうか?
(パンフレットより一部抜粋)

観劇感想

今回は完全にダンスメインの舞台でした。
ダンス好きな人は間違いなくハマルでしょうね。ダンスの客演だけで17人もいますから。
ヒップホップ、レゲエ、マンボ、サンバ等、いろいろなダンスが披露されます。
振付のJUNを始め、他のダンサーの方々も素晴らしいですね。迫力満点。

さらにHIDEBOHのタップダンスは超人的!
これは、すごいとか、そういうレベルではないです。
アニーのタップで喜んでいる場合ではない(爆)
まぁ、趣旨が違いますが・・・

百聞は一見にしかず。
見ていただくことをおすすめします。
そうそう、なんとなく北野武映画の「座頭市」のタップシーンを思い出しましたが、
それもそのはず、HIDEBOHも出演していて、タップの振付をしていました!(汗)
タップのリズムで、それがわかりました。素人レベルでもこのぐらいはわかります(爆)
蛇足ながら、「南青山少女歌劇団」も振付担当されていたんですね。ビックリ!

話の流れも、若者4人、ヤマト役の宮内大、ヤヨイ役の大竹浩一、ココネ役の長谷川紀子、
ジョウモン役の西海健二郎、ヒップホップのルーツを求めて世界各国へ旅をするという感じで、
かなりわかりやすい設定になっています。複雑な話ではないので若者向けの印象が強いです。
私的には政治的な意味合いの舞台も好きなのですが・・・

今回は歴史的な意味合いが多く、エンターテイメント性をかなり重視しているようにも思えました。
そのぶん、「演劇」そのものの力強さには欠けていたような気がします。
まぁ、ダンスメインなのでその点は仕方のないことですが。

上演時間は休憩込み2時間半ぐらい。昔は休憩無しのストレートがSETだったのですが、
最近は休憩を入れ始めました。時代の流れでしょうかね?
アンケートに書かれたのかな?私としては休憩を入れていただいた方がありがたいですが。

三宅裕司が問いかける、「混沌とした世界の中で、日本人はどう生きればいいのか!」
この問いかけに私が舞台から得たものは、
「世界へ飛び出し活躍するす日本人」そして、
「日本の中で日本人であることを見つめ日本の良さを伝えるために残る日本人」
そんな印象を受けました。
なにより、「日本人の良さを見直そう」という気持ちが伝わってくる舞台でした。

舞台時代としては、開演と同時のすごい轟音に驚きました。
意外とこれは印象的。
そして、特に後半ですが太鼓が多数登場し叩き響かせます。
これがね・・・
あまりに聞き入りすぎると精神的トランス状態になりそう(爆)
これが良い意味でも悪い意味でも、精神的にハイな状態にするのかもしれません。
ちょっと怖いかも。

それでもって、最後の三宅裕司の大太鼓打ちはとっても良かった!
そして日本の盆踊り・・・
この舞台の意味合いが言わずとも含まれています。
大団円という形での幕で、ホッとするところでしょう。

気になった役者さんは・・・

みなさんプロなので、簡単な雑感。
三宅裕司小倉久寛のダイナマイト(笑)
アドリブなのか脚本通りなのかわからないかけあいは本当に楽しい!
ダイナマイトの由来も面白い!

歴史学者役の尾口衿はいつ観てもいいですね〜!
こういハキハキした役はすっごく好き!
今回はかなり目立つ役で嬉しかった(涙)

良田麻美は元東京メッツ。
今回は、丸山優子白土直子の大御所と一緒に「B−GIRLS」として登場。
ダンスメインの舞台の中で、この3人がユニットとして各場面で歌を披露します。
丸山優子、白土直子は、私が言うまでもないほどの素晴らしい歌声。
その中に良田麻美は大抜擢で入ってましたが、ど〜してど〜して、なかなか存在感ありますよ。
歌だけでなく、表情のつけ方も色っぽくなってました。

総括
ダンスメインの舞台で楽しめましたが、
ひとつだけ引っかかったのは、物語の流れとダンスの流れ。
仕方のないことですが、ダンスはひとつのレビューとして観てしまうんですよね。
そこでひと区切りついてしまう感じ。いったん物語の流れが止まってしまう印象もあります。
もちろんここのバランスをうまく演出しようと苦労されたことと思います。
全体的に、悩んだり謎が残ったりするのものではないため、
アットホーム感があって楽しめる舞台でした。意外とほんわか系の舞台だったと思います。


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