公演時期 | 2006年10月8日~9日 |
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会場 | 新宿シアターアプル |
脚本 | 福田陽一郎 |
原案・演出・振付 | 郡司行雄 |
作詞・作曲 | 玉麻尚一 |
美術 | 孫福剛久/宮原修一 |
照明 | 川本友 |
音響 | 柴田道幸 |
あらすじ1933年シカゴ。 ギャング同士の争いに巻き込まれて父を失ったビル。 クラブに集まった仲間たちは、なんとかビルを慰めようとします。 『新しく、自分たちの手でクラブを経営しよう!』 みんなの意見が一致します。 しかし、そう考えたのも束の間、 クラブ経営を狙うギャングのボス、ドン・ワルサーが現れ、 仲間たちは落胆の色を隠せません。 そして、ビルたちは大人たちとの対決を決意することになります。 感想『GANG』がどういう舞台であるかは、 2001年(春)の『GANG』を参考にしてください。 今回もダブルキャストです。 またまた運良く、両方のキャストを見ることができました。 どちらかというと新人の方が多いようですが、年齢層は高くなりましたね。 重要な役はベテランが起用されています。 まずまず~なところは、まずまずな~配役となります(爆) 今回も男性陣の歌唱力は・・・相変わらずです・・・ あとひとつ気になったのは、前半はともかく、後半はビルの覇気がほしい。 たしかにそれをチータ役がやるべきことではあるのだけれど、 淡々としすぎる気がしないでもない。 男なんだから、やる時は気合入れてやってほしいかな、と。 心の中で熱くなるのもわかるけれど、ここは内面ではなく外見で出してほしい。 ビルとリリーがラブラブになった時のハートマーク照明は、 正直ちょっと引きました・・・・・ そんなに必要性は無いような気がする・・・ 今回のリリーは二人とも年齢が高いので、少女的なイメージはありません。 かなりお姉さん的で、大人のイメージ。 特に赤組だと、リリーもローズも気が強い感じです。けっこう面白い(笑) 最近はタップのシーンがイマイチになることが多かったのですが、 今回は出来る役者さんが多かったので安心しました。 一応見せ場ですからね。 気になった役者各組、一回ずつしか見ていないので、全員に目を配ることはできません。 申し訳ございません。 ビル役の酒井長輝ルックスは言うまでもなくかっこいいです。 舞台映えしますよね。 演技的にはよく頑張っていた思います。 できたら歌唱力は欲しいのだけれど・・・・・ 同じくビル役の石川祐司なかなか頑張ってますね。いい感じです。 最初のソロは高音と低音にわかれます。 元々がこのナンバー、女性のキーの曲ですらか仕方ないです。 特技がダンスなこともあって、男性としてはかなりいいです! タップも彼が担当してましたよね?なかなか良かったですよ。 チータの佐藤翔吾前回もチータ役でしたが、かなり印象度が高くなりました。 相当稽古を積んだのかな? けっこう私が好きなチータ役になってる(爆) もちろん、まだまだ荒削りな部分はあるけれど、 チータの「親父見てろよ~!」という頑張り的な精神が見られました。 雰囲気的にも、チータ役が似合っている感じかな? 同じくチータ役、田原優一郎彼も去年チータ役でした。 う~ん、全然悪くはないのだけれどあまり印象に残りませんでした。 なんでかな? 佐藤翔吾の印象が強いせいか? レオン役、八戸亮う~ん、かなりいいんですけど!ただものじゃないですね、彼は。 プロフィールを見ると、やはりいろいろ出演されています。 血気盛んなレオンのイメージにピッタリ! 気合入りまくっている感じで、表情付けもかなりいい! 演技もいいし、セリフ回しもいいです! このレオンはかなり好き。 レオン役がシングルというのもうなずけます。 リリー役の原田京元東京メッツで、やはりダンスレベルは一級品。言うこと無し。 彼女は、おそらくだけれど、あまり過去のリリー役にこだわってないような気がします。 彼女の独自解釈リリーという感じ。 固定観念の枠にとらわれず、色にも染まっていない状態。 今までのイメージだと、優しく穏やかで母性的なイメージが強いリリーですが、 彼女の場合はかなり気が強く、男性的で精神的な支柱にもなる感じ。 気の強い原田京スタイルのリリーは、ビルに対して優しく包み込むのタイプではなく、 ビルに積極的に意見し知恵を与える感じでしょうか? NHK大河ドラマ「巧名が辻」千代のさらに気の強いバージョン。 面白い解釈だな~と私は観ながら思ってました。 リピーターには違和感があるかもしれませんね。 演技的にはやや荒削りな部分、素っ気ない部分もあるかもしれませんが、 それはそれで面白いです。 後述するもうひとりのリリー役、綿引さやかの王道的な演技と対比できますから。 ガラスの仮面でいうところの、「たけくらべ」で王道を歩む姫川亜弓が綿引、 覇道・・・ではないが荒削りな部分を出す北島マヤが原田という感じでしょうか? ま~元々、原田京は男性的な演技には定評ありますが。 演技的には問題ありませんが、やや息切れの場面も観られました。 歌唱力は、前半はイマイチな感じ。ただ後半は盛り返しました。 ローズとのかけあいのナンバーはかなり頑張ってました。 同じくリリー役の綿引さやかう~ん、演技はこなれていて抜群にうまいです。 前述しましたが、王道的な優しく穏やかで、男性にとって母性本能をくすぐるリリー。 いつものリリーを期待している人はこちらが好きかもしれません。 演技だけでなく、彼女は歌唱力もかなりあります。 ローズ役の新津つくしとのかけあいのナンバーは物凄かったです! ここが一番のメインでしょう。 ダンスが弱いためか、ダンスのレッスンのところは、 赤組はリリーの原田京が仕切っていたものの、白組ではローズの新津つくし。 稽古でもそうだったのかも。 柔らかな雰囲気のリリーは男性の憧れの的でしょう。 ランラン役の唐沢美帆有名な方ですよね。 初めてのミュージカルということで、どんな感じのランランになるか楽しみにしていましたが、 うん!思っていた以上にすばらしかったです! ルックスは美人ですし、スタイル抜群だし、歌唱力もある。 ランランとして申し分ありません。 ふと、瀧本瞳を思い出しました。実力的には瀧本の上ですが、 それを彷彿させるほどの美麗なランラン。 特にチャイナドレスのスリットが色っぽい(爆) これだけ美人でしたら、文句のつけようなし!!! とは言わないところが聖橋流・・・・・なんだけれど、あまりランランに演技は期待しませんから、 とにかく歌唱力が重要なんです。 さすがにCDを出しているだけあってか、歌唱力は全く問題無しです。 本当にすばらしいと思います。 たしかに演技はつたないところがありますが、取り立てておかしなところもなく、 無難におさまっていたと思います。 「GANG」ファンで、このランランを観なかったのは後悔するかも(汗) おなじくランラン役の絹川麗舞台「僕らのかわいい女神さま」でも主役でした。 あちらはレースクイーンさんがメインでしたが。 ルックスはあいかわらず美人さんです。 演技もまずまずですし、歌の方も頑張っていたと思います。 ローズ役の春衣「森は生きている2006」にも出演した彼女ですが、こちらは印象が薄かったです。 今回はローズ役ということでかなり目立ちます。 ちなみに前回はチェリー役でしたね。 彼女はセリフ口調がしっかりしていじつに聞き取りやすいです。 ローズの難しいナンバーのソロも頑張っているし、ダンスにも切れがありますね。 もちろん、新津つくしと比べてはいけませんが、彼女なりに頑張っていたと思います。 足もよく上がっていました。 演技的には、原田京リリー、春衣ローズ、ともに気の強い女性だったので、 もう少しどちらかが柔和な女性を演じて、メリハリをつけた方が良かったかな? 同じくローズ役の新津つくし今回、赤組→白組という順番で観たのですが、 この赤組の時に彼女はアンサンブルで、ダンスとタップのシーンに登場します。 このアンサンブルのダンスの時点で、明らかにダンスレベルが他の人と違うことがわかります。 ダンスの質がまるで違うんですよ・・・すばらしいというしかないです。 彼女の努力の成果がここに集約されています。 ちなみにタップは赤組の時のみ出演。これはラッキーでした! この赤組の出演時点で、白組のローズ役の凄さが予想できました。 赤組ではダンスのレッスンの時はリリーの原田京がリーダー格でしたが、 白組ではローズの新津つくしが担当。 ダンスが得意な人が選ばれるのでしょうね。 彼女のローズ役は、奥手で物静かで優しい感じです。 地味ではあるのだけれど、主張するところは主張するという感じ。 演技はうまいし、セリフ回しも抜群、表情の変化も見ていて楽しい。非の打ち所がないです。 歌に関しても秀逸。 ローズのソロのナンバーは難しいことで有名ですが、 (裏声になってしまうことが過去に何度もありました) ここがもすごい歌唱力。 声量自体はそれほどないものの、心に胸に響く素晴らしい歌声でした。 少なくとも私が「GANG」を観る限りにおいて、1995年の加藤あすかに次ぐ出来ばえ。 (加藤あすかは尋常ではないほどに、歌唱力は抜きんでていました) これはかなり別件ですが、スタイルも抜群! ウエスト細すぎで他の人が困るかも(爆) それだけ本人は節制して努力していることでしょう。 こういう普段の努力が舞台でも出てしまいますから。 ここまで完璧な彼女ですが、ひとつだけ気になることがあります。 それは女性の持つ色気、色香。 ランランの二人は当然として、リリーの原田京、綿引さやか、 ローズの春衣には、男性がドキドキするような女性の色気を感じます。 ところが、ハッキリ言って新津つくしには全く感じません(爆) もちろん、これからついてくることは間違いないとは思いますが、 あえてひとつツッコムならそこでしょうね。 舞台女優として、色気、色香はすごく重要なポイントですから。 今後そこを改善してきたら、怖いもの無しでしょう。 プラム役の川鍋ゆみ彼女は顔だちがスッキリしていて美形なプラムですね! スタイルもいいし、演技に柔軟性もあって、なかなか見応えがあります! 司会進行役(?)のところは特に秀逸! 同じくプラム役の二見友理彼女もベテランさんかな? 演技は安心して見ることができました。 チェリー役の坂田めぐ美セリフの発音がしっかりしているし、セリフ回しもうまいし、歌声もしっかりしています。 ダブルの水無瀬唯も安定感があってうまいのだけれど、印象的には坂田めぐ美の方が強い。 アマリス役の前野千尋はベテランなので言うことないでしょ。タップも頑張ってましたね。 さらには、ダブルの田村真依奈もなかなかの出来ばえ! 彼女もタップを担当していました。 ダンスもなかなかいいですね! それにも増して、新津つくしに勝るとも劣らないウエストの細さ(汗) 印象的には地味な感じですが、バランスがとれていたと思います。 玄人好みかも。 ベル役の高星美希なかなかの美形。スタイルも抜群!グラビア系でも通用します。 ボニー役の南李央演技がいい。けっこうこれから伸びるかもしません。 ピーチの佐々木優子表情の変化は見ていて楽しい。コロコロといろいろな表情を見せてくれました。 マーガレットの西井雅赤坂さなえに似て、なかなかの美少女。個人的にはかなり好きなタイプの役者さん。 表情の変化とか、かなり印象に残ってます。 デイジーの美沙希瞳がクリッとした美少女。 演技的にはこれからでしょうね。頑張ってほしいです。 同じくデイジー役の井上歩雰囲気的には池田早矢加、中島あすかにも似た美少女。 すっごい美少女というわけでもないけれど、 ジュニアアイドルとしての素質があるような気がします。 表情も豊かで楽しかったです。 今後の活躍にも非常に期待がもてる女の子でしょう。 パンジー役の飯嶋あやめ正直、もうパンジーは卒業してほしいかな。 彼女の実力であればもっと上を目指すべき。 どんな役でも重要だけれど、彼女の実力を考えればもったいない。 彼女の笑顔はいつ観てもいい。 あの笑顔を大切にしてほしいな。 同じくパンジー役のシャイ樹菜なめらなかセリフ回しが印象的。演技もなかなかうまいですよ。 ただ、パンジー役はふたりとも年齢が高い気がします。 二人とも実力があるのだから、ちょっともったいないです。 ポピーの土井有美、田澤有里朱ともに、間違いなく美少女。土井有美はまだまだこれからですね。 田澤有里朱は、意外とよくやっている! と思って、パンフレットを見ると、けっこう舞台も出演していますね。 なるほど、ルックスが良いだけでなく、ちゃんと実力も兼ね備えているんです。 演技的にも小さい子の中で一番しっかりしていました。 現時点では、田澤有里朱の存在感は大きいですし、今後にも注目の女の子でしょう。 去年と同じ、ジャスミン役の石井千夏う~ん、正直、去年のような目立った印象はありませんでした。 まぁ~ジャスミンですから、そんなに目立つわけでもないのですが、 なんとなく淡々とした印象です。覇気というか、もう少しパワーが欲しいかな? まぁ~まだまだこれから先の子なので、今後に期待します。 メアリー役の高見美恵子私の記憶では、ここまでメアリーが踊ったのは初めてだと思います。 特に「アイダホ」のナンバーでのダンスにはビックリ! 去年も出演していたみたいですが、ここまで踊っていたかな~? とにかくも、ダンスの印象が強いです。 赤組の最初に登場する少年は誰かな~?ちょっとわかりませんが、 ダンスレベルは相当なものがあります。ターンが秀逸! 首がぶれてませんでした。 どちらかというと少女っぽい雰囲気もあったのですが・・・ バードの鈴木遼太、倉田舜平も良かった記憶があるのですが、ちょっと定かでないです。 こめんなさい。 総括あくまで私の印象ですが、 意外とレベルが高い役者さんが集まっていて、とても楽しめました。 原田のリリーは今までのリリーにはない、少し違った側面のリリーで面白かったです。 その対比として王道のリリー役の綿引さやかも抜群でした。 ※敬称略 |