◆  『ピヴォ☆ガール』(CAREZZA カレッツア編)

◆公演時期   2005年12月30日〜2006年1月9日
◆会場 池袋 サンシャイン劇場
◆作、演出 堤 泰之
◆音楽 佐橋 俊彦
◆振付 上島 雪夫
◆美術 本江 義治
◆照明 倉本 泰史
◆音響 伊東 尚司
◆衣装 渡辺 まり

あらすじ

かつて最強と呼ばれた、アイドルタレントによる女子フットサルチームがあった。
しかし、チャンピオンズリーグ直前に、キャプテンを事故で失い惨敗。
チームは崩壊し、メンバーもバラバラになってしまった・・・
ところが一年後、差出人不明の謎の手紙が、メンバーの元に届く・・・
(パンフレットより抜粋)
観劇感想

アイドルタレントさんの舞台ということで、
正直、あまり期待しないで観にいったのですが、
なかなかしっかりとした舞台で驚きました。

フットサルミュージカルということで、どうなることやらと思いましたが、
ボールを使うことはなく、フットサルシーンはすべてパントマイムです。
さすがにここはたくさん練習したことと思います。
本当にボールがあるかのようなパス回しでしたから。

全体の流れとしては、淡々とした感じですね。
意味合いとしては、ほとんどストレートプレイに近いです。
本当に途中で、ミュージカルナンバーが入るという感じ。
相手に話しかけるような、説明的なナンバーはなく、普通に歌です。
アイドルのナンバーという感じでしょうか?
ひとりひとりのソロが無かったのも残念。
ぜひとも次回は入れてほしいです。
くるみが歌って、そして桃が歌って・・・という順番のような歌い方もほしかったです。
そういったものがないので、浮き沈みがなく、
並行的安全に物語が進んでしまうんですよね。
もう少し強弱があると良かったかな?

フットサルの試合の演出としては、応援席が移動するものがありました。
あくまで、客の視線の入れ換えみたいなのものでしょうね。
左右の視覚効果を狙ったものでしょう。
せっかくなので、もう少し変化をつけてほしかったです。

途中途中、ミュージカルナンバーはあるのですが、
演技の場面でのBGMは無し。ここはちょっと寂しかったです。

なんとな〜く、話の全容は前半部分で予想は付きました。
ただ、誰が最後にシュートを決めるかは予測できませんでしたが(笑)
けっこう意外でした。この展開は予想外だったので嬉しかったです。

気になった役者さんは・・・

厳密にいうと、主役という中心人物はいないと思います。
誰もが平均的に目立つ場面がありますから。
ただ、私が見る限りにおいては、「しおり役」が主役だと思います。
センターが多いですし、長セリフもありますし、
物語のきっかけや、後半への伏線もありますから。
ということで、なんと驚き、当サイト掲載女優の赤坂さなえちゃんがメインです(爆)
ビックリ〜〜〜!!!
サンズの舞台で主役を張るとは・・・言葉になりません(涙)

「GO,JET!GO!GO! サプライズ版」の時は、出演メンバーが多かったので、
印象がイマイチだったのですが、
今回は人数が絞られていることもあり、しっかり観ることができました。

最初のオープニングが終わった後、いきなりひとりで登場。
ピンクの衣装がかわいいです。
ボールを使わないでフットサルの練習をするパントマイムをするのですが、
かなりうまいです。蹴り方もひじょうに上手。
ダンスは当然のことながらうまいですし、今回は優しく穏やかな役ということもあり、
常にのほほ〜んとした笑顔が秀逸でした。

舞台系出身ということもあり、演技は全く問題ありません。
しかも、今回は早口での長セリフがあります。
フットサルの試合中に、試合経過や内容を実況するシチュエーションがあり、
それを担当しているのです。
当然のことながら、カツゼツが命。
さなえちゃんは、全くもって無難に解説を終えることができました。
頑張った(涙)
これは、めちゃくちゃ練習したことでしょう。
他のグラビアアイドルさんには、なかなかできないと思います。
ちなみに、同じようにこの実況を担当する他の方は、
助っ人の原扶貴子さんと、長谷川桃ちゃん。
ふたりとも演技達者。当然の選択でしょう。

あくまで私の予感ですが、この舞台によって、
赤坂さなえの実力を、一般の人にも知らしめたような気がします。
それだけの出来ばえ。すばらしかったです。

マコト役の長谷川桃ちゃん。
彼女も舞台出身ということで、演技の実力は秀逸。
今回は男勝りな役ということもあり、声を低くしての登場・・・・・
えっ・・・誰かに雰囲気が似ている・・・
東京メッツで一緒だった、黒田百合さんに似ているんですよね。
まさにあのポジションの演技。
しかもこの役がまさに適役。
迫力ある声量はすばらしいです。
他のアイドルタレントはビビルでしょう(笑)
フットサルのパントマイムも秀逸。
こういった部分は彼女の見せ場だと思います。

「サンズ」でのポジションはわかりませんが、
こういった男勝りのイメージの戦略であれば、ひじょうにいい感じですね。
他の人とかぶらないですし。
初めて彼女のことを知ることになる観客にも、すごくアピールできたと思います。

ジンコ役の太田彩乃ちゃん。
彼女も舞台出身。
アルゴやアニーでの活躍は、言うまでもないほどの実績。
で、私が彼女の演技を観るのはかなり久しぶり。
2002年の「オンリーワン」以来。めちゃくちゃ久しぶりで自分でも驚きました(汗)

彼女も男っぽい役で登場。
似た性格の長谷川桃と対立したりする感じです。
この長谷川桃とのツートップはいいですね〜!
二人の衝突する演技はじつに見応えあります。
ダンスも秀逸だし、言うことないですね。

いろいろあるのだけれど、彩乃ちゃんは舞台の断然光る気がします。

舞台系出身は、私が知る限り、赤坂さなえ、長谷川桃、太田彩乃の3人。
しかも相当な実力者。
彼女たちは全く心配していませんでした。
ということで、他の方も注目してみていました。
グラビアアイドルの方が多いので、お稽古等の時間がたいへんだったとは思いますが、
それは言い訳になりませんからね。

郷役の大網亜矢乃ちゃん。
ビックリ〜〜〜!!!
めちゃくちゃ素晴らしいんですけど!
カレッツアの歌のイベントでは、イマイチ〜な感じなのですが、
舞台の演技は素晴らしいです!

今回は男まさりなボーイッシュ系で、ややクール。
それがバッチリはまっています!
そうですね、全盛期の内田有紀(舞台女優バージョン)に匹敵する感じです。
言葉づかいもひじょうにうまいですし、独特の雰囲気も持っています。
これは、これからテレビドラマや舞台にも活躍の場を広げる可能性がありますね。
とにかく、今回の一番の驚きは彼女でした。

カヨ役の小島くるみちゃん。
初舞台ということですが、うん、まずまず無難にこなしていたと思います。
けっこうセリフが多いので、たいへんだったことでしょう。
頑張っていました。
表情がもう少しいろいろと変化してくれるといいな〜と思いました。
まっ、もともと真面目系な役だったので、面白おかしくはできませんが・・・

アンドレ役の滝ありさちゃん。
初舞台でありながら、日系のブラジル人という、なかなか難しい役です。
でも、なかなかよく頑張っていたと思います。
かなり難しい役ですからね。
しかも、笑いをとらなくてはいけないポジション。
たいへんだったことと思います。

演技的には、良くやったと思います。
グラビアタレントとしての活動で忙しい中、
これだけの演技を見せてくれるのですから。
彼女の表情付けは抜群!
グラビアタレントとしての柔軟性がここにあわられているのかもしれませんが、
可愛らしいルックスだけでなく、演技の実力があることを舞台で表現してくれました。
間違いなく、さらにファンが増えるでしょうね。
できたら、次回は彼女の普通の演技も見てみたいです。

ルミルミ役の伊藤あいちゃん。
派手系でお水という役。
本当の性格はわかりませんが、彼女の雰囲気に合っているような役でした。
初舞台ということでたいへんだったことと思いますが、よく頑張ったと思います。
派手系ということで、もう少し表情の変化があると楽しかったかな?

キクマル役のふるけいこちゃん。
うん!彼女はなかなかうまいですね。
ミュージカルは初めてのようですが、表情の変化は見ていて楽しいです!
こなれたセリフもいいですし、とてもすごくしっかりしてます。
ミュージカルは初めてだけれど、舞台はやったことがあるのかも。
しっかり芯が通った感じの演技で、見応えありました。

総括
一般の舞台、ミュージカルのレベルとは違いますが、
まずまず満足できる舞台だったと思います。
このぐらいやってくれれば、野田社長も満足だと思うのだけれど、まだまだでしょうか?


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