◆  『GO,JET!GO!GO!vol.2』KM企画バージョン

◆公演時期   2005年9月9日(金)〜12日(月)
◆会場 銀座 Air studio
◆作 藤森一朗
◆主催・企画・制作 KM企画

あらすじ
1950年代の若者を象徴するラブコメディ。

あかねを好きなJETは彼女に告白できずじまい・・・
お節介娘の3人がそれを手助けしようとしますが、
邪魔者の大地やメグが入ってきて大苦戦。
はたしてJETはあかねに告白できるのか〜?
(チラシより一部抜粋)
観劇感想
AIRSTUDIOさんのプロデュースしている、
「GO,JET!GO!GO!」のKM企画さんのバージョンです。
原作である藤森一朗さんの脚本を借りて、
新たに演出、脚本を作ったという形だと思います。
AIRSTUDIOさんの方は、完全に「50'S」を意識した歌やダンスに力を入れていますが、
こちらは完全にコメディ路線です。
とりたてて深いメッセージ性もなく、単純にコメディとして楽しめる舞台ですね。

私は初日、千秋楽、と合計4回観劇しました。
ダブルキャストなので、違うチームを計2回ずつ観たことになります。
とにかく、初日と千秋楽のデキが違い過ぎ(笑)
初日はけっこうグタグタというか、テンポの悪いところが目立ちました。

それでもって、千秋楽はアドリブ使い過ぎ(笑)
上演時間が伸びた伸びた(爆)
まぁ〜、演出家さん自身のアドリブが長かったので何も言えません(汗)

ダブルキャストですが、
ハッキリ言って、柳澤伶弥、齋藤彩夏、阿川麻美の3人はずるすぎ(爆)
この3人はこの年齢にして超ベテランなので、
ボケもツッコミもアドリブもなんでもこなせます。
相手役が何かしたときでも、すぐにいろんなツッコミやボケでフォローできます。
まぁ、アドリブを連発すぎるのも考えものですが(汗)
イメージ的に、JETが出てくるのがこちらのチームは遅い気がします。
その前まで、3人がアドリブを連発していることは言うまでもありません(笑)
このメンバーであれば、
本公演の「GO,JET!GO!GO!」のメンバーと互角以上に渡り合えるでしょうね。
実力ありすぎですよ。

それに比べて、今井沙那恵、中村ひとみ、倉田葵の3人は、
今井沙那恵だけがベテランで、残りふたりはこれからの人材。
明らかに沙那恵ちゃんの負担が大きいです。
何かの時のツッコミもボケも、ふたりからは期待できないため、
今井沙那恵ちゃんがひとりで対応しなければなりません。
彼女の苦労が痛いほどよくわかります・・・・・

夏代役は、ソロで歌う場面があります。
その時、他の役者さんはダンスをするという演出です。
齋藤彩夏ちゃんの夏代の時は、歌がうまいことから、
彼女を見つつ、ダンスをしているメンバーも見ることができます。
しかしながら、中村ひとみちゃんの夏代役は歌唱力が弱いです。
そのため、ひとみちゃんを見ることなく、
ダンスをしているメンバーの方に視線がいってしまいます。
ここが違いのひとつでしょう。

ひとつ思ったのは、花火を持つシーンがあるのですが、
ここが機関銃のように「ズドドドド〜!」という演出。
「ベスト・ドリーム」の演出と同じだ(笑)
私はこの演出が好きです。
富田麻帆ちゃんが主役の時から、そんな演出をしてた気がする・・・
うろ覚えですが・・・
ここは齋藤彩夏ちゃんの印象が強いですね。
というか、発音がうまいですから、彼女は。
「ズドドドド〜!」というセリフを言わせたら天下一品。
ただ、ここに関してはダブルキャストの中村ひとみちゃんも頑張ってました。
おちゃらけた感じがよく出ていたと思います。

ちなみに、千秋楽ではココスマイルのようにダブルキャスト総出(あかね役3人も含む)
のダンスシーンがありました。これはとても楽しめました。

暗転、再び同じシーンの繰り返しのやり方はあまり好きではないですね。
そこで途切れる感じがします。
本来であれば、場面転換のため、あるいは幕終わりの休憩なのかもしれませんが、
今回は休憩無しですから、それは無意味なように思えます。
と思いましたら、本公演の方でも同じような演出のようですね。
見比べてはいないのでどんな感じなのかはわかりませんが・・・

それと、メグとあかねの対決シーン。
大きな紙を取り出して、そこに書かれているものを観客に見せる・・・
という演出ですが、ここはわかりにくいです。
意味合いとしてはボクシング中継の合間のような感じで、
その試合の流れを紙に記載しているのですが・・・ちょっとわからないです。

「あかねちん」という言葉が何回も出てきますが、
これは漫画の「ドクタースランプ」からの引用でしょうか?(笑)

気になった役者さんは・・・

JET役、溝淵智洋さん。
初舞台ということで、やや緊張している感もありましたが、特に問題はないですね
役になりきろうと頑張っている印象が伝わりました。
生徒会長で茶髪というのは、明らかに私の偏見ですが、ちょっと納得いかないかな。

同じくJET役、渡辺晃さん。
彼は柔軟的な演技でした。
生の舞台を楽しみながら演技をしているというのが、なんとなく感じとれました。
ルックス的にV6の井ノ原快彦に似てますね。
目尻が下がるところなんて特にそう。
雰囲気が柔らかく、演技もなかなかでした。

あかね役。ここはトリプルキャストです。
3人ともに個性がバラバラで、見ている方はとても楽しめました。

小山英莉
さんは、グラビア系の人なんですね!ビックリ!
美人は当然のことながら、どうりで胸を強調していると思いました(汗)
初めての舞台のようですが、う〜ん、おっとりとしたあかね役に関しては、
よくできていたと思います。
ドキマギとした表情もいいし、優しい感じがあふれるあかね役でした。
キスシーンは、おそらくガチンコです。
JETが羨ましいです(笑)

岸本麻莉亜さん。
貧相で、かなりか弱い感じのあかね役です。
幸薄そうな表情と目つきが抜群でした。
ただ、ひとつ気になったのはネタがばれた後のあかねの態度。
他のあかね役は、けっこう変化をとげていたのですが、
彼女はそれほど変わっていませんでした。
これはわざとなのでしょうか?他のあかね役とかぶらないようにという・・・・・
それから、キスシーンは唇の上に指をおいて、その上からキスをするという演出です。

関根香菜さん。
この人は玄人好みで演技はうまいです。
コメディチックで田舎くさいあかね役でしたが、自分の中で練りに練ったのでしょうね。
ドキマギした、やや誇張した演技が秀逸。
さらには、ネタバレした後の変化も妖艶な感じで良かったです。
キスシーンは避けてました(汗)

大地役は、かなり濃い役です。
ここは、ダブルキャストのふたりとも違った大地像を演じていました。

橘瑛輝くん。
某演出家さんです(爆)
久々の舞台出演のようですが、さすがにうまいです。
「長靴をはいたネコ」でも、ある意味三枚目役っぽい感じでしたが、
ここまでのコメディは初めてでしょうか?
お馬鹿でアホな役、かなりハマッテました!

同じく、大地役の半間拓さん。
瑛輝くんの大地もかなり濃かったのですが、その上をもいく濃さ。
私的にかなりツボに入りました(爆)
ややホモっぽい感じですが、ホモと断定しない危うい演技です。
独特な動きや喋りは、すばらしいですね。
本当に大地っぽいです(笑)

早紀役、柳澤伶弥ちゃん。
彼女を見るのは久々です。
アルゴ以来(笑)
「サボテン先生」でも見る機会があったのですが、
ダブルキャストで違う組だったんですよね・・・

で、その久々の伶弥ちゃん。
う〜ん、さすがにうまいです。
喋りはしっかりしていて、長ゼリフで早口になりがちですが、
言葉がしっかりしているので、全く違和感がありません。
声質もいいですね〜!本当の性格はわかりませんが、真面目な感じがします。
しかし、アルゴの1998年「フラワー」のダブルキャストである、
柳澤伶弥ちゃんと斎藤彩夏ちゃんを一緒に観られるなんて、すっごくぜいたくですよ。

同じく早紀役の今井沙那恵ちゃん。
久々に真面目な役だ(笑)
だいだい彼女の役は、二番手で憎まれ役のことが多いですから(爆)
演技はベテランなので言うことないんですよね。
喋りはしっかりしているし、長ゼリフも聞き取りやすい発声ですし、
演技もこなれていてうまいです。
「コーナーキック作戦」の足をあげる打点の高さは流石ですね。
ダンス部分もかなりしっかりしています。

ベテラン不在の「GO3」チームをまとめあげるのは、大変だったことと思います。
彼女が指導してあげないと、なかなかまとまらないですから。
上に立つ者として彼女はしっかりしていますから、その点は安心です。

夏代役の齋藤彩夏ちゃん。
ボケキャラの夏代。
完全に彩夏ちゃんにピッタリです(笑)
しかしまぁ〜アドリブの連発がすごいですね。
いろんなとこにツッコミを入れてましたから。
どこまでが本当のセリフかわからないぐらい(爆)
「ハニャ〜、フニャ〜」というふやけた演技は抜群!
というか、こういう演技は一番得意でしょ。

同じく、夏代役の中村ひとみちゃん。
彼女の演技を観るのは、「ベストドリーム2004」に続いて二回目です。
齋藤彩夏ちゃんと比べるのは可哀相ですよ。
相手はベテラン中のベテランですからね。
中村ひとみちゃん独自の夏代役でいいと思います。
で、彼女の夏代役ですが、あまりボケキャラ系では無かったような・・・
どちらかというと、「ベストドリーム2004」で演じた元気爆発の瑠璃役に近いです。
役柄的にはちょっと曖昧かな?
しかしながら、長セリフ等はよく頑張ってました。

筋肉質の腕を主軸としたダンスは、さすがに見応えありますね。
彼女は元気の良さとダンスがメインですから。
ただ、歌はまだまだこれから。
ソロがあったのですが、観ていてちょっとつらいです。
これから頑張ってほしいです。

美月役の阿川麻美ちゃん。
今回の可愛らしい役はいいですね!
さすがにこの役は、伶弥ちゃんや彩夏ちゃんにはできないですから(笑)
一番印象深いのは、スタイルの良さ。
相当努力しているでしょう。
それほど大きなダンスシーンはないのですが、
小さなダンスでも、彼女は見応えあります。
「キャピ」の可愛らしさ、そして裏の顔(?)の迫力、ここの変化も楽しかったです。

同じく美月役の倉田葵ちゃん。
前にも見た時よりも、少し痩せましたね。
それから、私の思っていたイメージより可愛らしさを感じました(爆)
「ベストドリーム2004」に比べると、かなり演技の幅は広がりました。
普通に観られる感じ。
全体的な印象として、尖った部分が無くなり、柔らかくなったのでしょうか?

マスター役の村川幸謙さん。
彼だけがシングルキャストなので、なんと、4日間で12回公演をこなしました!
頭が下がります。
彼はこの舞台の要です。
この役がしっかりしていないと、舞台全体がグタグタになってしまう感じ。
コメディチックな演技もいいですね〜!

メグ役の山口麻未ちゃん。
彼女の演技は初めて観たのですが、なかなかうまいです!
今回は怖くて強いJETの妹の役なのですが、完璧にハマッテました。
目に特徴があることも幸いしてか、上目づかいで威嚇する演技がいいです!
ダンスの腰フリもしっかりしているし、声にも張りがあるし、何より雰囲気が怖くていい(笑)
彼女は間違いなく、これから伸びていくでしょうね。期待度大の女の子でしょう。

同じくダブルキャストのメグ役の関谷愛里紗ちゃん。
先に、山口麻未ちゃんのメグ役を観たせいもありますが、
怖さ、強さはあまり感じられませんでした。
彼女はもともと可愛らしく、か弱く、妹タイプなので、怖い演技は難しいのかもしれません。
口調も少し早いです。
相手に対して質問をするシーンがあるのですが、
何を質問しているのかわからないところがありました。
ちょっと聞き取りづらいです。

それから彼女は笑い上戸の癖があるので、
舞台上でコメディチックなアドリブがあるとそれにハマッテ笑ってしまうことがあります。
仕方のないことですが・・・・・
少なくともメグ役は終始強くて怖い雰囲気を出してほしいので、
笑いは我慢してほしかったです。
マスターがけっこう笑わせてたんですけどね(爆)

そうそう、「ふ〜〜〜〜〜ん」という長い発声をする場面があるのですが、
ここはもう少し長くしてほしい感じ。
短いとコメディになりませんから。

ちなみに千秋楽。
ビックリ〜〜〜〜〜!!
初日と全然キャラが違うんですけど(爆)
誰に指導されたのかはわかりませんが、めちゃくちゃ怖いメグ役に変貌していました。
まず、根本的に目つきが違います。上目づかいになりました。怖いです。
雰囲気もガラリと変わり、おどろおどろしい感じです。
パンチやキックにもかなり力が入ってました!
やればできるね(笑)
ただ、ここまでできるのなら、なぜ最初からできないのか?という疑問は残りますが・・・

この日を境に、お姉さんである関谷彩花の妹というものを脱却してほしいです。
姉の幻影を振り払い、彼女独自で自分というものを出す時です。

総括
初日はいろいろとありましたが、千秋楽はかなり楽しめました。
なによりも、今回は出演メンバーに恵まれていたと思います。
AIRSTUDIOさんのプロデュースする本公演の方も観る予定なので、
見比べたいと思います。


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