◆  めがば的ミュージカル「ドラゴンファンタジー」(2005年)

◆公演時期   2005年8月25日〜28日
◆会場 荻窪メガバックスシアター
◆作・演出 滝 一也
◆音楽 柳 志乃
◆振付 木戸 友香、安江 友和
◆音響 稲葉 裕士
◆照明 キリマンジャロ伊藤
◆衣裳 尾崎美江子、千葉静佳、稲毛葉奈子

あらすじ

人間界と壁一枚隔てた異空間にあるラマダの国。
人々は平和に暮らしていたのだが、
突如、魔王が現れ、魔法を使って人々を恐怖のどん底に陥れた。
さらに、国王の娘である姫を誘拐し、国に対し降伏をせまってくる・・・・・
最後の望みは、かつて国を平和に導いたと言われる青いドラゴンの化身。

そして今!勇者が無理やり立ち上がることとなった!
嫌々ながら、翔の冒険が始まるのである。(チラシより一部抜粋)


観劇感想
◆組のみの感想となります。

荻窪メガバックスシアターで観るのは初めてでした。
池袋小劇場のように、ほんとに小さな劇場です。
通常であれば、多くつめて50〜60人ほどの座席数でしょうか?
私が観た回はかなり人が多く、70〜80人ぐらいの人数でしょうか?満席でした。

話し的には、突然勇者となった青年が、嫌々ながらも仲間と共に魔王を倒しに行く・・・・・
というものですが、ドラゴンクエストのようなゲームの世界をコメディにしているので、
ゲーム好きの人にもおすすめです。もちろん、ゲーム知らなくても問題ありません。

で、です。
めっちゃ面白いんですけど!!
ビックリ〜!!
あまり期待しない感じで観に行ったのが逆に幸いしたのか、
私の中では、すごく好印象に受け取れました。
まずい・・・・・
このままでは、2005年の「エターナルファンタジー演劇大賞」の、
最有力候補になってしまいます(笑)

子役の舞台は感動系が多いこともあってか、
ここまでギャグ満載の舞台は珍しいですよね。
子供も爆笑、大人にも大受け、もちろん、私も大爆笑。これはすごいですよ。

観劇対象が家族向けということもあり、大人向けの複雑な設定もなく、
小さなお子さまにも安心して観られることができます。

とにかく、まず脚本が秀逸!!
これは、かなりすごいと思います。
感動する舞台を作るのもたいへんだとは思いますが、
人を笑わせる舞台を作るのもたいへんです。
それをじつにうまく演出していました。
冒険ギャグコメディーの舞台、大成功でしょう!

今回、フェンディ役としても出演している柳志乃さんが音楽を担当されています。
言うまでもなく、「アルゴ」「アニー」「葉っぱのフレディ」「ココスマイル」など、
数々の舞台に出演している超有名女優です(汗)
今回の舞台では、オーバーチェアがありました。
明るく、ポップでノリのいい曲です。
彼女の本当の性格はわかりませんが、あくまで私の予想として、
その優しい性格をあらわしているかのような感じを受けました。
いつまでも純粋で、子供の心を忘れる事のない、清らかで穏やかな性格・・・・・・・
のような気がします。

今回、全体的な子役さんのレベルからいえば低いです。
ただ、これが年一回定期的に行われるようになれば、
ジュニア系ミュージカルとして確立される・・・・・かもしれません。
「アニー」「アルゴ」「ココスマ」「フレディ」等には、まだまだかけ離れていますが・・・・・
できたら、もう少し大きなキャパで。
そして、もう少しだけ子役さんの出番を多くしてもらえると、
夏に限っては集客力が見込めるでしょう。
ほんと、脚本は面白いですから。
来年の夏にもあるそうなので、ぜひとも一度は御覧下さい。
ハマル人はハマルと思います。合わない人には合わないかもしれませんが・・・・・

大人キャストがメインです。
当然のことながら、みなさんプロですので、言うことありません。

子役メンバーは、基本はダンス系でしょうか?
ただ、ダンスシーンは多くない(爆)
演技、歌がメインでしょうね。
子役の覚えるセリフは多いです。

気になった役者さんは・・・

主役、翔役の山本剣さん。
大人キャスト、さらには、テレビドラマ等にも出演されていることもあり、
演技は全く問題ありません。
長いセリフ、早口トークなどもあり、ハッキリ言ってかなりたいへんですが、
ひじょうに上手かったです。
あれだけのセリフがあって、のどがかれていないところもすごいです。
コメディな演技は言う事無し。
彼の演技に客席が引っ張られたのも、面白かった要因のひとつかもしれません。
素晴らしかったです。

役名の「翔」ですが、
アニメの「聖戦士ダンバイン」からきてるでしょうね(笑)

勇者が持ち合わせる道具として「おばあちゃんの知恵袋」というのがあるのですが、
笑った(爆)

フェンディ役の柳志乃さん。
前述しましたが、彼女はプロなので言う事ありません。
演技は抜群にうまいです。
今回はコメディチックな演技でしたが、面白かったです!
歌も当然のことながらうまいです。書くのも嫌になるほどです(笑)

しかし〜、彼女は昔から良い意味で全く変わってないですね。
子供たちと舞台をやっていて、とても楽しかったことでしょう。

スワンの母役の原えりこさん。
声優さんとしては有名です。
ずいぶんと目で演技をするんですね。そこがすごく印象に残りました。
演技は大人キャストなので、言う事ありません。
悪い母親役ということでしたが、
改心(?)する際には、感情移入をしたのでしょう、号泣していました。
「小さな舞台でも、ここまで気合をいれて演技をするんだ〜!」
と、感心させられました。さすがプロです。手は抜きません。

ミーシャ役の本村聡さん。
彼も大人キャスト。
淡々とした、ある意味語り部役でしたが、いい感じでした!
落ち着きすぎる演技って、意外と難しいですよね。

スジャータ役の吉村歩さん。
意地悪なお姉さん役で、ひどいお化粧で、たいへんだったことと思います。
ほんとは美人さんですよね(笑)
大人キャストなので、うまいと思います。
バーバパパには爆笑。

チュー太役の山川竜也さん。
笑った(爆)
いい感じでしたね。誰でもできそうな感じでもあるけど(笑)
でも、大変だったことと思います。
たしかに、子供受けはいいでしょう(汗)

以上が大人キャスト。
今回の子役キャストですが、
前述しましたが、基本はダンス系の子が選ばれていることもあり、
演技、歌は厳しい子もいます。
ただ、そんなに激しいダンスシーンはありません。
歌の振付とともに、そのダンスが表現される感じです。
出番的には、主役の翔とともに冒険当初から仲間になる、
スワン、ピノ、ピーターは出番が多く、セリフもたくさんあります。

全体的な演技レベルとしては低いです。
学芸会レベルの子もいます。
自分にスポットが当たっていない時、
鼻をいじったり、服をいじったり、ソワソワしたり、視線が動いたり、舌なめずりをしたりと、
ツッコミは山ほどあります。
ただ、現時点では「アルゴ」や「ココスマイル」とは比べ物になりませんから、
それに向けてのステップアップの舞台なのかもしれません。
ただ、これから有名子役が出演した場合は、
主旨がまた変わってくるかもしれませんが……

スワン役の岸彩海ちゃん。
う〜〜〜ん、演技は決してうまくはないですね。
セリフを喋っている時の表情はかわいらしいですが、
それ意外の時はドキマギしている感じです。
ただ、子役の中では出番が一番多いですし、
セリフもたくさんあるので、たいへんだったことでしょう。
これをステップにして、次のランクに進むといいですね。

ピノ役のRIKOちゃん。
なぜRIKOなのか、ちょっとわからないんですけど(爆)
まっ、それは置いといて。

ピノは、ピノキオのピノです。
簡単に言うと「うそが大好きな子」っていう感じでしょうか。
演技は・・・・・う〜〜〜ん、まっ、うまくはないでしょうね。
ただ、出番が多いのでセリフがたくさんあります。
よく覚えた、って感じかな?
でも、決して悪くはないので、今後に注目してもいいと思います。

ピーター役の加藤優磨くん。
ビックリ〜!!
超!かっこいいんですけど!
ルックスは柳楽優弥に激似!
彫りが深く、やや目がつり上がって鋭い瞳、それでいて細目ではない。
ジャニーズにいても、おかしくないレベルです。
間違いなく、女の子の人気は高いでしょう!
私だったら、彼を集客力に使いますね(笑)

さて、演技等ですが・・・
ハッキリ言って、全然まだまだ。
落ち着かないところもあるし、視線が定まらないこともしばしば。
ただ、長いセリフを良く覚えていたし、
ピーター(ようはピーターパン)の雰囲気もピッタリでした。
歌はまだまだなので、次回に期待です。
もし彼が本当にこのまま芸能活動に進むのであれば、
かなり化ける可能性が高いです。今後の活躍に注目でしょうね。
そして、成長した彼の演技をぜひ見たいです!
あとは本人の努力とやる気しだい!

ブリキ役の近谷未来ちゃんは、セリフがハッキリとして聞き取りやすく、
歌唱力もあります。

かかし役の北島佐起子ちゃん。
なかなかダンスはしっかりしてます。明らかにダンスの子でしょう。
表情が淡々しています。これはこれであり・・・なのか?!
セリフ回しは悪くないですけど、ちょっと印象薄かったかな?

ライオン役の西田有希ちゃん。
まだまだでしょう。
どうこういうレベルのものではありません。
ダンスもまずまず頑張ってました。

カラスの三姉妹です。
三人の登場シーンはおもろい(笑)
三人とも演技、歌、ダンスがうまいです。
子役の中でも、それらすべてに安定した子をこのカラス役に選んだのでしょう。
カラス長女シャイナの福島弘子ちゃんは、演技、ダンス、歌と、バランスいいですね。

次女のエルミナ役の魚嶋奏世ちゃんの歌唱力は秀逸。
意外とレベル高いですよ。ビックリ!

三女役の桐原真奈ちゃん。
ハッキリ言って、彼女にピッタリの役でした。
というか、他の役はできない(爆)
カラス三姉妹の年少にもかかわらず、お色気たっぷりという役ですから(笑)
この役に関しては、全く問題無しです。
演出家の人も、あまりにピッタリすぎて楽だったでしょうね(汗)

ダンスも頑張っていましたが、今回は歌かな?
前回よりも、成長した感が見受けられました。
今回の場合、演技に関しては、
役に助けられたというのもありますから、次回もさらなる努力を期待します。

総括

「冒険物ギャグファンタジー」ということで、コメディがメインではありますが、
随所に大人や子供たちに向けたメッセージもあります。ギャグだけではありません。
そこがまたいいんですよね。
遠回しな言い方ではなく、ストレートに訴えるメッセージですから。

来年の夏、公演予定のようですが、次回はダブルキャストで観たいですね。


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