◆  「ザ・マッドドッグ・レジェンド 妄邪妄邪八犬電」 

◆公演時期   2005年5月12日〜15日
◆会場 シアターサンモール
◆作 大沢 直行
◆演出 宮内 大
◆振付 南 流石
◆音楽監督 大崎 聖二
◆美術 升平 香織
◆音響 秀島 正一
◆照明 三浦 圭子
◆衣装 水野 佳子
◆技斗 野崎数馬
◆舞台監督 宇佐美 雅人

あらすじ
都道府県制度から、道州制へと変革した日本。
新たな区分けによる道州制により、その特区は都道府県制度よりも、
遥かに独自性の強い道へと変わっていった……

そのひとつ、千葉県を中心に作られた 『やばい道』
ここに、高価な宝石があると聞いた、ひとりの泥棒が浸入する。
さらには脱走犯、拳法の使い手のおじさんも巻き込み、
道知事である獅子原が主催する、とあるオーディション会場に辿り着くのだが……

時同じくして、ゲーテ13世が、母の国である日本へやってくる。
自分探しの旅、そして「あるもの」を探しにやってきたのだ……
観劇感想

劇団スーパー・エキセントリック・シアター
宮内大さんによるプロデュースVol.1の作品です。
SET本公演ではない舞台を観るのは、「タックス・カッターズ」以来です。

とにかく!めちゃくちゃ楽しい舞台でした!
これを見逃した人は、絶対後悔しますね(笑)
SETの王道「ミュージカル・アクション・コメディー」そのままに、
若いパワーが爆発した感じでした。もちろんベテランさんもいますが・・・

観客層として、女性が多いことに驚きました。
SET若手メンバーはイケメン揃いですからね!
今のうちに品定めをしているのでしょう(笑)

パンフレットというか、キャストが載っているチラシというか、
これはちょっと残念でした。
内容がこれだけいいのに、パンフレットがイマイチなのは悲しい。
無料なので、文句は言えないのですが・・・

音響もひじょうに良くできていて、
徐々に迫ってくる音響効果が抜群でした。

シアターサンモールでは、舞台装置が上下に動くため、
その装置を使った演出も非常に目立ちました。
特に最初の方の、コスプレダンスのところは見応えありました。
また、舞台装置の上から下へ飛び降りる、ジャンプシーンが多かったと思います。
私も飛び降りるのが得意なので(笑)けっこう注目して観ていました。
一歩間違うと、足首をひねりますからね。

アクションシーンが多いこともあり、
みなさんけっこうサポーターを巻いていたのが印象的でした。
(肌色で、遠くからはわかりません)
よほど、訓練したのでしょう。

すべてにおいて素晴らしかったのですが、
あくまで私の感覚ですが、ひとつだけつまらなかったところ。
獅子原とケンポのかけあいで、
「民衆がオオカミとなって飼い主にかみつく・・・・・」というフレーズがあるのですが、
ここをケンポさんが聞き間違えたかのようにボケまくります。
劇場内は、けっこう笑いが起こっていたのですが
私は全く面白くありませんでした。
何が面白いのか、さっぱりわからないです。
まぁ、あくまで私の笑いのツボが、そこに当たらなかっただけなのですが・・・・・

私の場合は、その場の笑いより、
「こうなるんじゃないか?」という予測しての笑いがあります(汗)
普段、私はあまり感情を表に出すことのないのですが、
今回の場合は、私自身けっこう爆笑していたので、
他の方にしてみれば、さらに面白かったことと思います。
コメディの質は、前述したもの以外は大満足です。
「パオーン、パオーン」も面白かったし、アレグリアも良かったです!

そうそう、Hなシーンもほとんどなく、お子さまも安心して御覧になれます(笑)

気になった役者さんは・・・

ゲーテ13世役の宮内大さん。
一応、主役ではありますが、やや地味な主役ですね。
おそらく、プロデュースする立場としての意味合いもあることと思います。
スラッとした立ち姿は凛々しく、
「セーラームーン」のタキシード仮面にも似た振る舞いは抜群でした。
歌、アクションが少なかったのは、
やはり、プロデュースする立場があったためでしょう。
私は無難に良かったと思うのですが、
宮内大さんファンの方は物足りないらしいです(爆)

ケンポ役の西海健二郎さんは、前述しましたが、アクションシーンが秀逸!
ずっとやっててほしい感じ(笑)
電波によって操られるところの変化も、心にグッときました。

獅子原役の野崎数馬さん、
悪役、バッチリ決まってました。
ある意味、彼が主役かもしれないな〜なんて思う時もありました。
それだけ要ですからね。

パグジー役の大関真さん。
SETの男性の若手の中では一番期待しています。
今回は準主役っぽい感じでしょうか?
十分に彼独特の個性を出せていたと思います。
私が観る限りでは全く問題ありませんでした。
今後も、さらに期待できます。

イヌマ役の坂田鉄平さん、タクワン役の大河原晃さんも、
それぞれの個性が出ていて良かったです。
特に大河原さんのコワモテの表情が印象的でした。

ベル役、大竹浩一さんのオカマの演技は秀逸!
どこから見てもオカマでした(笑)
おそらく、そうとう研究したでしょうね。

イバラ役、長谷川紀子さんの落ち着いた演技は、
言うこと無しで秀逸!
まぁ、ベテランなので当然といえば当然なのですが、
舞台上でも存在感という威圧的なオーラがありました。

ヌヌ役の池辺愛さん。
いつ出るか、いつ出るか、と観劇の最中ずっと思っていたのですが、
中盤からようやく登場しました!
(他の場面では登場していたらしいのですが、私は判断できませんでした)
セリフが無いのは残念でしたが、今回はアクション!
かなりハードなアクションにチャレンジしていてビックリです!
で、さらにビックリなのが、髪の毛!
この役のために、セミロングよりやや短めに切ってました!
常にロングの髪のイメージがあるので、印象がめちゃくちゃ変わりましたね。

ブリイダ役の良田麻美さん。
今回はキリッ!とした冷徹な獣医の役。
彼女は、おちゃらけた演技もできるし、こういった冷徹な演技もできるしで、
演技の幅がひろいです。
ただ、今回はその分、アクションシーンやダンスシーンが少なく残念でしたが。

総括
自分が予想していた以上の出来だったので、本当に楽しかったです。
あえて、ちょっとツッコミを入れるのなら、
元SETである、寺脇康文さんや岸谷五朗さんのように、
宮内さんには出て行ってほしくないです(爆)
あまりにも出来が良すぎて心配なほどですから。
三宅さんも心配していると思います(笑)
無論、パンフレットで宮内さんも述べていますが、
彼だけでなく、たくさんの方々の支援の賜物だと思います。

もし、次回公演があったら、絶対に行きたいですね。
これだけのものを見せられたら、行かざるをえません。
超!おすすめの公演でした!


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