◆  NEWSエンターテイメントスクール第4回自主公演 『時間の扉』

◆公演時期   2005年3月29日
◆会場 さいたま芸術劇場 大ホール

感想

二部構成で、一部が発表会、二部がミュージカルという形です。

ハッキリ言って、前回よりも発表会の意味合いが強く感じました。
あまり論評することもないので、割愛します。

ただ、気になった部分を少し。
3曲目。『Heart&Heart』
だいたい男子はいいところがないのですが、
この曲の男子はまずまず頑張ってました。
さらにこの時の最後の方の、リードボーカルの女の子も頑張ってました。

全体的に原色カラーの衣裳を多く使っていました。
見栄えはとてもいいです。
ただ、気になったのは、群舞の中で色違いの子が二人出ていて、
「あっ、この二人がリードボーカルなんだ〜」
と思ったのですが、他の人と同じでした・・・・・
おそらく、誰がリードボーカルであるかは全く関係なく、
演出上の舞台映えを意識した色の配置なのでしょうね。

さて、アルゴミュージカルでも絶賛された「歌姫」小林風花ちゃんの登場……
って、いきなり客席から登場!!
これにはビックリ〜!!
他のナンバーが全て群舞やユニットなのに対し、
風花ちゃんだけはソロ。
まぁ、格が違いますから・・・
しかも、前半部分が子供さんたちの発表会というレベルなのに対し、
風花ちゃんはプロ級。
あまりのギャップに、ソロが終わった後は一瞬の静寂に包まれ、
波が押し寄せるかのように一気に拍手が沸き起こりました。

今回の「いつもの笑顔で」のナンバーは、
優しさあふれる暖かでゆったりとした感じです。
どちらかと言えば応援歌という感じでしょうか?
会場内に響きわたる、研ぎ澄まされた柔らかで穏やかな歌声。
声量がパワーアップし、さらには奥深さというか、深みが出ました。
低音の表現力がついたように思えます。
というか、発表会終わりにして、風花ちゃんの次の曲が聞きたい感じ(笑)
数年後には、それが現実になるかもしれませんね。

今回は、もうひとり、
「ベストドリーム04」にも出演した中村ひとみちゃんにも注目していました。
1部の発表会では、かなりの登場回数。
しかもメインでの登場場面もあります!ビックリ〜!!
背筋がピシッ!としていることは、ダンサーとして基本中の基本ではありますが、
彼女はその点もしっかりしています。
クラシックダンスもしっかりしているし、ターンもバッチリ。
後方に上げる足もかなり高く上がっていました。
正直、こんなにできると全く思いませんでした(汗)
「ベストドリーム04」の舞台では、そこまでわかりませんからね。
気になっていた目の開け方も、今回はバッチリ見開いていました!
歌もマズマズ頑張っていましたが、今回はダンスが特に印象に残りました。

曲のあいまあいまに、MCとして数人が登場するのですが、
ベタな演技です(笑)
これがいいんですよ!(爆)
まるで、宝映テレビの番組、
『スチュワーデス物語』や『スクール・ウォーズ』のような感じ。
このベタな演技の筆頭が、守山玲愛ちゃん。
う〜ん、面白い(笑)
声はしっかりしているし、キャラクター付けもピッタリな感じでした。
もちろん、「そういう演技で」という指導があったことは間違いないですけど。

このMCの中で、男子二人組も出てくるのですが、漫才のようなノリ。
なかなか客席を盛り上げていて、良かったと思います。

第2部 「時間の扉」
お芝居です。
簡単なあらすじ。

「まりあ」という少女には「たかし」という弟がいて、病気になってしまう。
その病気を直すにはとある木の実が必要だという。
それは過去にしか存在しないため、隆を助けることができない・・・
そんな時、タイムマシンの存在を思い出した「まりあ」は・・・


う〜ん、脚本的には去年の方が10倍良かったです。
今回は意味がわからないところが連発でした。
まぁ、タイムマシンがあること自体、いきなり意味がわからないのですが…

さて、一幕最初のわめき声や銃声。
これも意味がわからなかったです。
よ〜く思い出してみると、
もしかしたら、山に入った隆が、
そこでケモノに襲われたってことを言ってるのかもしれません。
でも、良くわからないです。

さらに、神様に祈りを捧げるシーンでは、多数のメンバーが登場。
順序づけてセリフを喋っているという印象しか残ってません。
素人がセリフを与えてもらったという表現がピッタリでしょう。
しかもテンポが早く、何を喋っているのかわからない状態。
まぁ〜たいへんでした。

不良メンバーが少年(中川裕蔵)と少女(矢島夏美)を脅す場面は、
ひじょうに面白かったです。
間合いも絶妙で、この時のやりとりは最高!
中川裕蔵くんは面白い存在。これから頑張ってほしいです。
まぁ、見どころはここだけなのですが・・・・・

主役のまりあ役、角田彩織ちゃんは、悪くはないです。
ただ、声がかすれるところもあったり、
声自体が早口で聞き取りづらいところもありました。

頑張ってます。それはわかります。
ただ、いかんせん、舞台がしまっていないので、
ちょっとアタフタした感じが残ってしまうんですよね。
特に、隆の幻影(?)と会話するシーン。
隆が死んでしまうかもしれないということで、泣きじゃくる演技なのですが、
本人の演技はともかく、
それ以前になぜ突然泣き出すにいたるのか、
その思い入れが観客に伝わっていないため、全く感動しませんでした。
それから、ここの二人のシーンは長いです。
もっと短くしていいと思います。

隆役の滝沢宗茂くんの歌唱力ですが、なかなか良いものを持ってます。
高いキーをうまく歌いこなしていました。

タイム博士の西尾佳くんも、なかなか良かったです。
声もしっかりしているし、演技も良くできています。
まぁ、彼はキーポイントなので、
しっかりしてくれないと舞台自体がボロボロになってしまいますから。

結局のところ、この舞台で演技できるのは、まりあ役の角田彩織ちゃん、
ビッキーズという子供警備団(?)のメンバー、
有森夏鈴ちゃん、萩原あきのちゃん、小島史世くん、喜納美穂ちゃん、
中村ひとみちゃん、野口真緒ちゃん、守山玲愛ちゃん。
不良に襲われる少年、中川裕蔵くんと、少女、矢島夏美ちゃん。
そしてタイム役の西尾佳くんぐらいですからね。
これはきついと思います。
去年だと、今井沙那恵ちゃん、今井仁美ちゃん、小林風花ちゃんもいて、
なんとかおさまったのですが、やはり今回は小粒です。

中村ひとみちゃんもたしかにビッキーズのグループのリーダー的存在で、
目立ってはいましたが、もっと活躍しても良かったと思います。
彼女は演技の実力もありますから。
それから、萩原あきのちゃんは、
なかなか可愛らしいルックスで、これから人気が出るかもしれませんね。

結局エンディングも、何がなんだかわかりませんでした。
まりあが、ビッキーズのメンバーと博士とともにタイワープ(?)をするのですが、
博士が、
「絶対に手を放してはだめだぞ〜!どこの時代に行くかわからないぞ〜!」
と言っているのに、現代に帰ってきたのは、まりあだけ。
他の人たちは?!
良くわからないエンディングでした。

総括
私的にはちょっと残念な感じでした。
小林風花ちゃんの舞台出演見送り、
滝沢路子ちゃん、狩行春奈ちゃんの不在、
今井仁美ちゃんの受験、今井沙那恵ちゃんの卒業もありで、
実力者、経験者不足は否めません。
次世代の子の活躍が、もう少し見たかったというのが本当のところですね。


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