「2.5次元ミュージカル協会 第一回オープンセミナー」を読んでの感想
てっとり早く言うと、
ビジネスとしての、舞台、演劇、ミュージカルの「コンテンツ」ってことかな?
新たなプロジェクトへの期待の現れか、初のセミナーとなった会場には舞台関係者や芸能事務所、報道陣が詰めかけ会場はほぼ満員と熱気あふれることに。
新たなコンテンツとして、各企業に投資をしてほしいという意味合いもあると思います。
新しいコンテンツの開拓という気持ちはわかるけれど、
私の意見を言わせてもらうと、
現状はかなり厳しいと思う。
スポンサー集めがとにかく大変。
そもそも大手ですと、森永のキョロちゃんミュージカルや、
カゴメのカゴメ劇場と、
冠をつけて、会社独自でやっていますからね。
漫画やアニメと融合させる2.5次元ミュージカルを、
本格的にビジネスとして確立させるのには、予算がまず必要でしょう。
このご時世、それを得られるかどうか?
そして、一番の課題は観客動員。
観客層をどこに向けるかにもよりますが、
舞台に関心をもつ人は、まだまだ圧倒的に少ない。
そもそも観に行かないで家でテレビ、というのが前提としてある。
それをいかにして、足を運んでいただくかが最重要課題。
シニア向け、とも書いてありますが、
こちらはさらに厳しいと思います。
正直、動かない。
地方の演歌歌手やクラシックの営業でさえ行かないのに、
わざわざ都心に足を運ぶのはかなり難しい。
私の親を例にあげるとすると、ずっとスマホでYouTubeを見ています。
音声認識があるから、文字入力すらいらない。
しかも関連動画が出てくるので、またそれを見る。
それで時間がつぶせますから。
なにより、今の人の音楽より、昔の人の方がいい、というのが両親の意見。
ちょっと耳に痛い言葉ですが。
それを考えると、シニア層を取り込むのは至難の業。
かと言って、若い層も厳しい。
消費税が今後さらに上がることが予想され、
法人税減税による新たな財源が必要となることを考えると、
ますます財布の紐は固くなる。
スマホは絶対に必要なので、それははずせないとなると、
食費や趣味の予算を減らさざるをえない。
趣味が多様化している今、好きなもの集中しないと。
報道陣からは、2.5次元の作品などどのくらいの展開をするのかという質問も飛んだが、堀氏は『DEATH NOTE』を引き合いに「作ってみないとどうにもならない。うちが蜷川幸雄さんの舞台で海外公演をするとかしたときに、日本でやってから早くて2年後、遅くて5年くらいかかる。企画書だけでは絶対に買ってくれない。それはものすごく時間がかかる。
日本からは難しいと思います。
NHKエル・ムンド「ミュージカルへ行こう!トニー賞とミュージカルの楽しみ」感想&文字起こし
でも書きましたが、ブロードウェイで1本作るのに、
だいたい5~6年。
並大抵のことではありません。
1本作るのに、10~20億円。
予算の規模が全く違うもの。
だからと言って全否定するわけでもない。
そもそも嫌いだったら、私は舞台公演情報サイトなんて作りませんし、
舞台も観ないし、感想も書かない。
あらゆる人に、舞台の魅力の一部分でも伝えようと思って書いています。
テレビで得られないものが、舞台にはあります。
テレビで見たことのない、初めて観る俳優、女優、
その演技力、歌唱力、ダンス力、
舞台の内容、音楽、美術セット等、
とても新鮮に映ることでしょう。
新規に開拓するということは、それだけリスクは伴います。
例がちょっと違いますが、
レベルファイブは「ニノ国」で大失敗したにもかかかわず、
今は「妖怪ウォッチ」をブレイクさせていますからね。
今後の演劇、舞台の行方、正直かなり気になるところ。
芸能ニュースラウンジ
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