佐久間正英「未来の音楽家へのメッセージ」

   

一番、今の音楽業界の現状を理解していたのは、
彼かもしれない。


みんな知っていても、口を閉ざしていたのでしょうけど。
なかなか痛烈な言葉が飛び交います。

AKB48的なことがよく話題になるけど、あれは普通に本を売るようなことと同じ考えで、ピンナップ仕様というようなことであって、あれを音楽の売り方と結びつけるのはちょっと違うなと。そう考えると、あれは音楽の売り方じゃなくて別の種類の売り方だと見ると、すでに音楽の売り上げというものはほとんどないわけじゃないですか。ジャニーズものも、そういう意味ではちょっと違いますよね。そう思うと、今までのスタイルの音楽産業というものは、どっちにしろ終わっている。現実には、ダウンロードすら面倒くさいという人も増えて、YouTubeで見られればいいやということになっている。そうすると、音質のことも含めて、考え方を変えていかなきゃいけない。

ちなみに私の父も昔の曲をスマホで聞いています。
音声認識ができるから、文字すら打つ必要もない。
しかも関連動画で、他の動画も永遠と見続けられる。
過去の曲の掘り起こしと言っても、
結局はスマホ、YouTubeにいってしまうのが現状。
音楽の売り方そのものが、昔とは全く異なります。

「CDは落ちてるけどライヴは伸びてる」とよく言われる、あれも僕は違うと思っていて、ライヴももう伸びないと思うんですね。大きいライヴは別だけど、ライヴハウス・クラスのライヴの動員は、たぶん減っていると思います。きちんと調べたわけではないですけど。みんなそんなにお金を持ってるわけでもないし、音楽に使うお金がさらに減ったら、ライヴにすら行かなくなりますよ。そうまでして音楽を聴かない、音楽なんてあんまり必要ない世の中に、どんどん向かって行くだろうなと僕は思ってます。

これも厳しい意見。
ライブでCDを買ってもらう、というやり方でしょうね。
ライブという箱を作っても、そこのレンタル料をはじめてとして、
音響、照明機材を考えると、赤字になる人がほとんど。

音楽の使われ方は、オーディオの前でじっと聴くのではなくて、環境の一部になると思うんですね。エンタテインメント・ショーは別に残るだろうけど。だから僕は潔く、そちらの方向に向かいたいなと思ってます。ミュージシャンを殺す方向に。
今話したのは、「音楽を商品として考えるとどうなるか」というところの話であって、仮に音楽を聴く人がどんなに減ったって、音楽はなくならないわけで。それに対して自由にアプローチすべきだと思いますね。ただ、さっきのロックバンドの話でも言ったように、自由な音楽がどんどんできる状況があって、ボカロが出てきたり、新しいものがどんどん出てきてるのに、やり方が自由じゃないのが残念だなと思います。もっともっと斬新な発想でやってほしいですね、若い人には。それを期待したいです。

今年流行った曲をカラオケで歌う、
そういったことが今はないですからね。
若い人でも、YouTubeで昔の曲を聞いて、それをカラオケで歌う。
斬新な発想というのも難しい。
それをはき違えて、口パクというのだけは私は勘弁。
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