「推しの子」黒川あかねは天才ではなく秀才

   

最近話題のアニメなので一言。

「ガラスの仮面」では金谷英美レベル

舞台「奇跡の人」ヘレン・ケラーのオーディションで北島マヤや姫川亜弓とともに争うひとりが、
金谷英美である。
特に単行本の演劇では「鬼ババ」役としても有名だ。

彼女が「奇跡の人」ヘレン・ケラーのオーディションで重視したことは、
実際のヘレン・ケラーの写真、映像、生まれた場所、生い立ち、環境、あらゆる出来事を文献から解読し、
読み解き、自分のものにしていった。
いわばリアル追及の演技だ。
言うまでもなく、これは黒川あかねの役に対する追及と同じ。

ただ、ここまで完璧にこなしていながら、金谷英美は最終試験で落ちてしまう。
試験管に「ヘレン・ケラー」でいたまま待つように言われたにもかかわらず、
火災報知器のサイレンに反応し動揺してしまったのだ。
この時、ただ二人だけ全く動揺しなかった人物がいる。
そう、北島マヤと姫川亜弓だ。
三重苦である「ヘレン・ケラー」のままで待つこと。
サイレンなど聞こえるはずもない。
この二人が選ばれるのは当然のことであった。

そんな金谷英美と黒川あかねに既視感を覚える。
天才ではなく、秀才なのだ。
では本家は・・・

北島マヤは天才、姫川亜弓、黒川あかねは秀才

姫川亜弓も世間からすれば天才と言われる女優であった。
ただ、本人はそれが努力の結果であることを知っている。

大女優と有名映画監督の子。そして美貌。
たいした演技でもないのに、回りからチヤホヤされる。
それを子供のころからすでに理解している彼女は、
そこから声楽、演技、ピアノ、ダンス、あらゆることに努力を惜しまない、
全てを兼ね備えた女優へと変貌していく。
まさに向かうところ敵無しであった。

ただ北島マヤだけは違う。
残念ながら彼女は本当に天性の女優なのだ。
台本を読むだけで、そこから全てを把握し、昇華し、
何もしなくてもできてしまうのだ。
ある意味ずるい。
しかも天然天性のものだから、本人に悪気はない。
気にも止めない。
そこが姫川亜弓にとってもつらいところである。

黒川あかねも、現時点でのポジションを見るとそんな感じがする。
ただ、今回の「アイ」の演技においては、空想上の台本の演技とは違うので、
そこまで比較することもできないが。
金谷英美レベルと私は言うけれど、金谷英美だって凄い役者ですからね、漫画の中では。

天才の弱点

ただ、無敵の天才北島マヤにも弱点がある。
それは経験不足だ。
姫川亜弓が長年積み上げてきた声楽やダンス、ピアノ、果ては料理まで。
こういった経験が北島マヤには全くない。
そこでの経験が演技にプラスに働くことも多い。
ここのリードはとても大きいのだ。

ガラスの仮面はいつ終わる?

はてさて、それはそれとして「ガラスの仮面」はいつ終わる?
永遠のテーマだ。

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