時代劇に欠かせないアクションシーン「殺陣」。激しい立ち回りを作り上げるのは、
殺陣師・演じる役者・斬られ役、様々な技術を持った熟練の強者たちのコンビネーションである。
真剣を持った人間が命のやりとりをするリアルなアクション。
悪人をバッサリ斬り倒す爽快感を感じさせる華麗な「チャンバラ」。
現代のサムライを演出する殺陣師と役者が時代劇の聖地・京都で激突する。
なんとはなしに見たのですが、
久々に面白い番組でした。
そもそも、まずテーマの最初、
刀を体に当てないということが重要であること。
これがやっばり最優先なんですね。
怪我をさせてはいけませんから。
元から竹光なので、剣と剣を当ててはいけない。
よく舞台で当たって剣が折れてしまうこともありますが、
あれはダメらしいです。
さらには剣道を習っていたからとかも関係無し。
あくまで「魅せる」ことですから。
「スポーツ」「真剣勝負」とは違うもの。
剣道の摺り足を殺陣で使うことなんてありません。
また剣の抜き方にもこだわりが。
腰紐はへその下にもっていかないと、
そもそも刀が抜けないなんて、初めて知りました。
これは剣が長い為もありますけどね。
抜きやすくするには短い剣の方かいいけれど、
見映えを重視するのであれば、やはり長い剣。
林邦史朗氏は、真剣、リアルを追及しています。
真剣での練習があって、
本物の剣の重さ、切れ、によって扱いを伝える。
ただ、リアルとはいえ、映像媒体ですから、
魅せる部分もあります。
清家三彦氏は、ありえないウソもあるチャンバラ。
お芝居ですから、かっこいい「魅せる」殺陣を重視していました。
エンターテイメント性もある殺陣ですね。
松方弘樹氏は役者ですが、
今回、殺陣の演出もしていました。
本当は本人楽しいでしょうね。
「清」「動」の間。
切った後に止まる「残心」
舞台的にも通用する、テンポを重視でしょうか?
「13人の刺客」では、
100人を超える斬られ役がいるものの、ほとんどがエキストラ。
殺陣ができたのはその中のわずか5人ほどとのこと。
つまりは立ち回りは、その人たちが受ける役割をおうわけです。
かつては、役者さんごとに斬られ役をかかえていたそうです。
100人とは驚き。
その中でもA~Eのようにランク付けされ、
優秀な斬られ役は、主役と打ち合いができ、
中盤の人は、主役の回りで剣を向けるだけ、
一番下のレベルの人は死体役という感じです。
ベテランの斬られ役がいたからこそ、主役が光りますから。
引用しますが、
それぞれが呼吸を読み合あい、一瞬の間を外さずに作り上げる。
チームワークが生み出す、アンサンブル。それが殺陣なのだ。
「殺陣はオーケストラなんですよ」
という言葉につながるんですよね。
一番驚いたのは、時代劇の脚本。
「○○一行が敵に囲まれ、立ち回り」
こんな感じの1行のみ。
あとはすべて殺陣師の方に任せるんですね。
これは凄い。
今は時代劇が本当に少なくなってしまいましたが、
この放送を見て、もっと見たくなりました。
テレビ番組の情報に左右されのは嫌ですが、
時代劇、殺陣に対する愛情がすごく伝わってきた番組ですから。
ディープピープル[DEEP PEOPLE]
時代劇をいろどる殺陣(たて