◆  ファンタジスタ『モウイチドアナタニアイタイ』

◆公演時期   2006年2月3日〜2月5日
◆会場 江古田ストアハウス
◆作・構成・演出・振付 亜祭 華門

あらすじ

「人には誰でも魔が差す時はある。しかし、それが他の誰かの仕業だったら・・・」
2006年のTOKEO CITY"エリア77"では若い女性の謎の自殺が多発していた・・・
アウェーカー(覚醒人)としての宿命を背負った"波瀾 万丈"は日々、覚醒(救出)に追われていた。
その彼の前に突然、フリーライター"花村 香里"が現れる。
彼女の双子の妹もまた謎の自殺を遂げていたのだ・・・
(サイト告知より抜粋)
観劇感想

パンフレット等が見当たらなかったため、キャスト表は公式サイトを参照いたしました。

う〜ん、正直、私の感性には合わない舞台でした。
音楽ですが、オリジナル曲はあったのでしょうか?
私は音楽関係にはうといのでわかりませんが、
ほとんど既成の曲ばかりで、あまり話の内容とは関係がないように思えました。
普通の歌謡ショーな感じです。
ミュージカルナンバーのように、セリフの歌があってもいいと思います。
既成曲ばかりはつらい・・・
それだとレビューの発表と変わりありませんから。

また、子役さん個々の性格づけがわかりづらかったです。
もっとコテコテでもいいので、アイドル系なり、ボケ系なり、真面目系なり、
しっかりとした性格付けを強く押し出したほうが良いように思えます。
あえて言うなら、岩瀬紗也加の「元気爆発!」という部分と舩橋理佳子の「万丈好き」、
そのぐらいでしょうか?他はみんな同じように見えてしまいます。
性格付けをきっちりしておいた方が、役者さんも演じやすかったと思うのですが・・・

とにもかくにも、私が一番気になったのは大人のメンバーであるKAZUMIさんの存在。
間違いなく美人ですし、演技もうまいし、歌唱力もあります。
ただ、セリフが軽い。
重厚感がゼロなんですよね。
良い意味で言えば自然なセリフ口調なのですが、あくまでそれはテレビ用。
舞台の場合は、舞台用のセリフづかいにして欲しかったです。
特に、魔が差す理由というか、こういう現象が起こる理由を説明するシーン。
あまりにもサラサラッと流されてしまい、印象に残りません。
ここは力強く、演技演技した口調でもいいですから、重きを置いてほしかったです。
説明シーンが印象に残らないので、物語の主旨がイマイチ理解できませんでした。

また、亜祭 華門さんとのからみが一番多いので、彼と対する時はさらに違和感を感じます。
亜祭 華門さんはしっかりとした舞台口調のため、全く違和感なく集中することができるのですが、
KAZUMIさんのあまりにも自然すぎるセリフはちょっとつらかったです・・・
子役メンバーであるならともかく、大人がしっかりしないと舞台に集中できません。

気になったことのひとつに、メンバーが倒れているシーンがあります。
ここが長すぎ・・・
その間、大人の会話シーンが続くので、子役メンバーはそのまま・・・
どうなんでしょう?私はちょっと違和感がありました。

基本は、みなさんダンス系の人が多いのでしょうか?
ダンスの部分はかなり見応えありました。
ただ今回の子役メンバーは、私の知る限りでは実力者も多いのに、
彼女たちの演技の実力をあまりいかされていませんでした。

最後の方の携帯の武器でメンバーたち「Be-Force」を覚醒させるシーンは、
もう少しアクション性があるといいな〜と思いました。
映画「リベリオン」のガンカタを参考にすると迫力出るのにな〜なんて思いました。
※ガンカタ(剣の型のような、銃技の型です)

春原葵ちゃんや安藤伽奈ちゃんの衣装はいい感じでした。
「ふたりはプリキュア」っぽいです(笑)
衣装による「魅せる」演出は良かったと思います。


気になった役者さんは・・・

波瀾万丈役の亜祭 華門さん。
彼は大人メンバーなので、特に言うこと無しです。
言葉の力強さがしっかりしていると見応えあります。
ただ、あえて言わせてもらえば、今回の舞台は彼中心に作り上げた気がします。
波瀾万丈役に酔いしれる感が、かなり強く感じました。
次回は敵なりサポート役にまわり、
子役メンバーを主役に抜擢したほうがバランスがとれるように思えます。

ナイトメア役のAKINOさん。
彼女もセリフが軽い。
悪役なのだから、重厚なセリフが必要。
悪役的な怖い表情はいいんですけどね。

エルメス役の青山沙織さん。
綺麗な方ですね。
ダンス系かな?
ただ、演技はまだまだでしょ。

プラダ役の安藤伽奈ちゃん。
彼女もダンス系。
センターで踊ることもあるので、リーダー的存在なのでしょうか?
ダンスシーンはなかなか見応えありました。
声質はけっこうかわいいんですね。ちょっとビックリ。
春原葵ちゃんとのハモリのナンバーは秀逸でした。

フェンディ役の春原葵ちゃん。
彼女は「ココスマイル」にも出演しているほどの実力者。
ダンスもいいし、ソロも文句無し!
聴かせる歌声はすばらしいです。
演技的に一番しっかりしているのは彼女ですね。
ただ、役柄的に中途半端な感じだったので、演じるのは難しかったかもしれません。
もっと個性のある役の方が、彼女は光ると思います。

ティファニー役の岩瀬紗也加ちゃん。
今回の役は元気爆発的な役で、今まで彼女の舞台を見ていた人はビックリしたかもしれません。
弾け具合がなかなかいいです(笑)
私的に好きな役者さんなのでソロが無かったのが残念・・・
歌もなかなかいいんですよ。
ただ、演技はまだまだのような感じがします。これからさらに頑張ってほしいです。

それよりもダンス。
こんなにうまかったんだ〜!と改めて再認識しました。
弾けたダンスもグッド!!
たしか、最後の映像クレジットに振付師として岩瀬紗也加ちゃんの名前がありました。
たいへんだったことと思います。

カルティエ役の舩橋理佳子ちゃん。
万丈が大好き〜という感じのキャラです。
やや淡白だったので、もう少しネチッこく演じても面白いな〜と思いました。

ヴィトン役の酒田奈々ちゃん。
ルックス抜群の美人さんです。
・・・・・客演なんでしょうか?本メンバーなんでしょうか?
そのあたりは良くわかりませんが、演技はまだまだでしょう。

グッチ役の増田美咲ちゃん。
いつのまにか登場してるんですけど・・・・・・

サマンサタバサ役の松田芙由香ちゃん。
笑顔がとってもかわいい女の子ですね。
なかなか存在感もあります。
ソロがありましたが、歌唱力はまずまずだと思います。
ただ、後半の高音パートで歌うナンバーは秀逸。よく声が出ていたと思います。
演技的にはまだまだこれからですが、面白い存在であることは間違いありません。
これから要チェックです。

総括
イマイチ話が飲み込めませんでした。
SFチックな雰囲気と、途中途中の歌謡ショー、すき焼き。
どこかアンバランス。
SF的な中にそれぞれがうまく組み込まれればいいのですが、
すべてが独立してしまい、テンポが悪いです。
脚本はとても面白いものがあるので、この際、歌無しのストレートプレイでもいいかな〜と思います。
その方が舞台に集中できるような気がします。最後ぐらい、歌ってもいいですが。
少なくとも既成曲ばかりはつらい。オリジナル曲はほしいです。

次回作、または再演に期待します。


トップ     観劇一覧     キャスト     女優